【WBC】宮崎合宿はダルビッシュ1人だけ、「直前合流の難しさ」伝える2017年青木宣親の苦悩

2023年2月9日(木)17時0分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 ダルビッシュ一人だけ・・・。宮崎県民のため息が聞こえてきそうだ。

 史上最強のドリームチームとも名高い、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む侍ジャパン。中でも目玉はエンゼルス・大谷翔平(28)らメジャーリーガーが過去最多タイの5人も選出されたことだ。2月17日から宮崎県で強化合宿に臨むのだが、合宿に参加できるメジャーリーガーはダルビッシュ有(36)ただ一人という状況になりそうだ。

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 宮崎県は、過去最多5人のメジャーリーガーが集結した2009年の強化合宿の再来を期待していた。今年の2月も大谷らを目当てにファンが殺到することを想定。サンマリンスタジアム宮崎への入場は、1万9000人へ配布する整理券が必要となった。整理券自体は無料なのだが、発見システム利用料330円がかかる。加えてその整理券はネット上で転売される事態となっているのだが、大谷、カブス・鈴木誠也(28)、レッドソックス・吉田正尚(29)、カージナルスのラーズ・ヌートバー(25)の4人の合流が絶望的となり、「果たしてダルビッシュ1人で、そこまでファンを宮崎に呼べるのか・・・」と多くの観光関係者が眉をひそめているという。

 2009年の侍ジャパンは5人のメジャーリーガー(マリナーズ・イチロー、城島健司、レッドソックス・松坂大輔、レイズ・岩村明憲、カブス・福留孝輔)全員が合宿初日から集合した。そして結束感を高め、2大会連続世界一へ上り詰めた。

 その後、WBCの主催者サイドはルールを変更。メジャーリーガーの合流を直前まで制限し、強化試合への出場もWBC管轄となる直前の2試合に限ったのだ。

 現行ルールでWBCに参加したメジャーリーガーは、過去に2017年大会のアストロズ・青木宣親(41)ただ1人。ではその青木のケースを追っていこう。

 青木はチームのフロリダ州キシミーでのキャンプから始動。米国で調整を重ねて、侍ジャパン合流は大会直前の3月2日だった。

 3日には阪神との強化試合にいきなり1番・中堅で出場。4打数1安打だった。試合前から円陣で声出しを担当し、若いチームの精神的支柱となるべく奮闘した。5日のオリックス戦は3番に打順を上げたが、4打数無安打。時差ボケもあったのだろう。休養日に若手に交じって志願の練習参加など重ねたが、突貫工事ではなかなか状態を上げられなかった。

 大会は7日に開幕。初戦キューバ戦は3番・中堅で出場。初回2死から二塁打で出場し、先制の生還で白星発進に導いた。だが、準決勝の米国戦は初回1死二塁の先制機に二ゴロに倒れるなど無安打。大会通算打率・182と低調に終わり、チームは敗退した。

「支えようと思っていたけど、支えられていたのは自分だったかもしれない。本当にいいチームだったと思うし、参加して良かったと思う」と振り返った青木。唯一のメジャーリーガーとして、外野陣にドジャースタジアムの特徴などをアドバイスするなど、果たした役割は小さくない。それでも調整、という点に関しては難しさが浮き彫りとなる直前合流だった。

 ダルビッシュを除く4人は、前回大会の青木同様に直前合流となる。日米間の長距離移動を短期間に2度迫られ、時差という巨大な壁も存在する。どこまで万全の状態で3月9日からの大会本番に臨めるか。技術面以上にコンディショニングが最重要視される2週間の大会期間となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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