立ち上げ決定から4カ月で迎える開幕。Jujuが2年目の挑戦へ【SF全チーム情報2025/HAZAMA ANDO Triple Tree Racing】
2025年2月26日(水)12時1分 AUTOSPORT web

3月7〜9日に、三重県の鈴鹿サーキットで開幕を迎える全日本スーパーフォーミュラ選手権の2025シーズン。昨年、タイトルを獲得した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)がカーナンバー『1』を付け連覇に挑む年となるが、注目の海外ドライバーやルーキー、新チームもひしめく、見どころの多いシーズンとなりそうだ。
2025年は一部レースフォーマットも変更され、1ウイーク2レースのイベントも増加。また、タイヤのスペックが変更されるなか、2月に行われた公式テストは雪のため日程短縮と、どの陣営も充分に走り込めていない状況で開幕からいきなりの土日連戦を迎えるため、その勢力図も気になるところ。
ここでは公式テスト前日の『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言を中心に、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。
今回は女性ドライバーJujuを擁して新規参戦するHAZAMA ANDO Triple Tree Racingだ。
■HAZAMA ANDO Triple Tree Racing 2025年スーパーフォーミュラ参戦体制
・ドライバー:Juju(No.10)
・チーム監督:野田英樹
・チーム代表:村司宏樹
・テクニカルアドバイザー:手塚長孝
・エンジニア:笠井昭則
・エンジン:ホンダ/M-TEC HR-417E
■集まった“優れた人材”にJujuも感謝
昨年、スーパーフォーミュラ史上最年少&日本人女性ドライバー初となる参戦を果たしたJuju。当時所属していたチームとともに今季も参戦を予定していたが、最終戦前にチーム側の大幅な体制変更が明らかとなり、Jujuにとっては一時的に2025年シーズンのシートがない状況となった。
そこで最終戦が終わった直後からJujuのマネジメントチームが主導となって新規チーム立ち上げの可能性を模索。その目処がつき、今年1月には都内で参戦発表を行った。なお、チーム名の由来はドライバーのJuju(野田樹潤)、監督の野田英樹氏、チーム代表の村司宏樹氏の名前に共通する“樹”からとったという。
気になるチームメンバーだが、国内トップフォーミュラで経験豊富な人材が集まり、かつてTEAM MUGENで監督を務めた経験もある手塚長孝氏がテクニカルアドバイザーとして加入。トラックエンジニアは昨年までKCMGにいた笠井昭則氏が移籍してきた。そのほかにも他チームでスーパーフォーミュラの経験があるメカニックやスタッフが集まっている。
「(チームを)立ち上げるとなってから短時間でいろいろな作業をして……本当に“雨漏りしているところを塞いでいく感じだったんですけど、『(作業を進めるにつれて)ここも雨漏り! あそこも雨漏り!』みたいな感じで、いろんなことをやらなきゃいけなくて。次から次にこなしていきながら、この場になんとか漕ぎ着けました」と野田監督。
「本当にスタッフみんながもう一生懸命ひとり何役もこなしてくれて、なんとか形になりました。この1カ月半ぐらいの動きを見ていると奇跡的なことだったように感じます」と、公式テストに間に合ったことについて安堵の表情を見せていた。
満を持してとは言いづらい状況ではあるが、ひとまず2年目の参戦に漕ぎつけられたJujuも「機材は買えば手に入りますけど、この短期間で人材(を確保すること)に関してはそういうわけにもいかないので、その中でこんなにもたくさんの本当に優れた人材の方がたくさん集まってくれて、このテストに間に合わせてくれたことには、本当に感謝しかないなと思います」と、ここまで懸命に準備をしてくれたスタッフたちを労った。
「昨年走って見えてきた課題や、もっと自分に必要だなと感じた部分もたくさんありました。スーパーフォーミュラで学べたことを一番活かせるのはスーパーフォーミュラの舞台だと思っているので、そこをしっかり活かして結果に繋げていきたいです」と2025年の抱負を語るJuju。
「まだまだ完璧とまではいかないと思いますけど、私自身もチームの立ち上げに携わるドライバーとして、チームの皆と一歩一歩成長できたらなと思います」
設立したてのチームということで、公式テストでもバタバタする姿が見られたが、開幕戦までにどれくらいパフォーマンスを上げてくるのか。今季注目を集めるチームのひとつとなりそうだ。
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