FIA会長に新たな告発。F1ラスベガスGPのコース承認阻止を試み、懸念事項を見つけるようオフィシャルに指示か

2024年3月6日(水)18時0分 AUTOSPORT web

 FIAの会長を務めるモハメド・ビン・スライエムは息をつく暇もないようだ。3月4日、FIA会長がF1レースの結果の改ざんを企てたとの申し立てがあったが、翌日には、会長が昨年11月にラスベガスのストリートサーキットを認証しないようオフィシャルに命じたとして告発されたことが明らかになった。


 FIAの内部告発者によると、ビン・スライエムは昨年のサウジアラビアGPで、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に科された10秒ペナルティを取り消すよう介入したという。その結果、アロンソは表彰式後に失った3位の座を取り戻した。


 この申し立てにより、FIAの倫理委員会による調査が行われることになった。しかし、話はまだある。火曜日の『BBC』の記事によると、オフィシャルは「FIA会長の要請により」、レースをするのに安全なラスベガス・ストリップ・サーキットを認証しない方法を見つけるよう命じられたと、同じ内部告発者が主張したという。この申し立ては、FIAの倫理委員会に提出された報告書にも記載されており、『BBC』によって確認されている。

2023年F1第22戦ラスベガスGP ラスベガス・ストリップ・サーキット


 FIAの広報担当者は、「競技と安全の観点から、ラスベガス・サーキットの承認は、調査と認証に関するFIAのプロトコルに従って行われた」、「記憶されていると思うが、地元の主催者による建設工事が進行中だったため、コースの調査ができるようになるのに遅れが生じた」とコメントした。


 報道によると、内部告発者はマネージャーから「FIA会長の要請により、FIAがレースウイーク前にサーキットを承認することを防ぐために、懸念事項をいくつか見つけるよう指示された」という連絡を受けたと伝えられており、内部告発者は「目的はコースの欠陥を突き止めてライセンスを出さないことだった」と主張している。


 また報道では以下のように伝えられている。


「より具体的に話すよう依頼すると、(内部告発者は)サーキット上の問題を実際の存在に関係なく人為的に特定し、最終的な目標はライセンスを出さないことにあったと語った」


 内部告発者によると、この任務を遂行するためのオフィシャルが任命されたという。また、内部告発者はそのとき室内にいた他2名のオフィシャルの氏名を挙げたが、『BBC』は記事のなかで2名の身元を明らかにしなかった。なお、オフィシャルは「サーキットに何の懸念も見いだせなかったため、サーキットがレースに適していると認定した」と、記事は報じている。


『BBC』の記事は、当時同席していた他のオフィシャルが対照的な報告をしていることを示唆している。彼らの記憶は内部告発者の説明した出来事とは異なる。その上、ラスベガス・サーキットを阻止しようとしたとされる動機は不明のままだ。F1にとって、ラスベガスのレースには計り知れない重要性があった。アメリカおよび世界におけるF1の存在感を高めるために、この最重要イベントを軌道に乗せるべく、リバティ・メディアは推定5億ドル(約750億円)を投資し、そのうち4億3500万ドル(約652億円)が土地の購入と、コースおよびその施設の建設に費やされた。

2024年F1第1戦バーレーンGP FIAのモハメド・ビン・スライエム会長


 過去2年間、F1とFIAの関係は緊張状態にあり、ビン・スライエムは権力を行使することを熱望している。また彼は、F1による統治機関への財政的貢献を増やすよう努めてきた。現在の契約では、商業権所有者がFIAへ年間約4000万ドル(約60億円)の支払いを行うことが規定されている。


 F1のオフィシャルは、これまでのところこの問題についてのコメントを拒否しているが、明らかになった詳細は、潜在的な対立の意図が絡む複雑な状況を示唆している。これらの重大な疑惑の背後にある真実を明らかにするには、さらなる調査および対照的な談話の突き合わせが不可欠だ。


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