揺るぎない井上尚弥の優位…カルデナスは“不出世の怪物”をどう打つ? 米メディアに告白「KOを狙う。最強だと思ってない」
2025年3月9日(日)17時0分 ココカラネクスト

カルデナスとのラスベガス決戦を控える井上。(C)Lemino/SECOND CAREER
大舞台での激闘に対する機運が高まっている。
ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、来る5月4日に米ラスベガスのT-モバイルアリーナで、WBA世界同級2位のラモン・カルデナス(米国)と対戦することが決定的となった。
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業界屈指のビッグマッチが組まれるメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」の一週間に当たる今興行は、井上にとって約4年ぶりのラスベガス上陸となる。昨年4月に元世界ウェルター級王者2団体王者のショーン・ポーター(米国)氏は、「ボクシング界で、世界最高のスターになりたいならこっち(米国)での試合が必要だ」と指摘して以来、何かと本格的な世界進出が求められてきただけに、ふたたび“ボクシングの本場”に本格的に乗り込んでいくモンスターの挑戦に対する関心は集まっている。
ボクシング界にとって貴重な瞬間となる「シンコ・デ・マヨ」に、並々ならぬ関心を寄せるメキシコ・メディアも日本の傑物に熱視線を向ける。スポーツ専門メディア『Estadio Deportes』は井上を「世界で最も恐れられているファイターの一人」と強調。このカルデナス戦が9月に東京で予定されているWBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との決戦を前にした「重要な一歩となる」と伝えた。
ただ、同メディアはメキシコ系アメリカ人であるカルデナスに番狂わせの期待を寄せているものの、やはり井上優位の味方は強い。「この試合は今シーズンを占う大きな見どころの一つとなる」とした上で「イノウエは、自分が現世代で最も偉大な選手の一人である理由を証明するだろう」と断じた。
もっとも、当人は前人未到の「打倒・モンスター」に並々ならぬ闘志を燃やす。ボクシング専門YouTube番組『210BoxingTv』のインタビューに応じたカルデナスは「イノウエも俺を倒しにくるかもしれないが、俺も奴をぶっ倒しにいく!」と断言。そして「彼をリスペクトはしているが、俺は単にスターに憧れるファンじゃない」と続けた。
「俺は彼と同じようにノックアウトを狙っている。だから最強の相手だなんて思っていない。単なるタフガイの一人と戦うだけ。もちろんイノウエとの試合じゃ最高でなければならない。そして試合を通じてシャープでなければならない。36分間で人生が変わるんだ。だから、その36分間は、完璧でなければならない。人生を変えてみせる」
かなりの威勢の良さを見せるカルデナス。人生のすべてをかけて、挑んでくるチャレンジャーに、「世界最強」と恐れられる不出世の怪物はいかに応じるのか。ラスベガス決戦に対する期待は膨らむ一方だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]