成功を収めた“ブラジルのモナコ”が2年目のラウンチ。現役王者やピケJr.ら列席/SCB
2025年4月15日(火)7時5分 AUTOSPORT web

新たにSUV時代に突入するSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”にて、2025年シーズン第6戦として8月15〜17日に開催される『BHストック・フェスティバル』が、初の試みとしてTCRサウスアメリカ・シリーズも併催する2年目のラウンチイベントを開催。先週4月8日に現地ベロオリゾンテで実施された発表会には、シリーズチャンピオンのガブリエル・カサグランデや、今季両シリーズに参戦するネルソン・ピケJr.らも列席した。
新型SUVストックカーの『シボレー・トラッカー』に『トヨタ・カローラクロス』、そして『ミツビシ・エクリプスクロス』の3車種が登場する2025年のSCBシーズンだが、昨季2024年に初開催されたBHストック・フェスティバルは成功を収め、大都市中心部にレーストラックが設置されたストリート戦は、市街で開催されるGPの雰囲気にちなんで“ブラジルのモナコ”との愛称が与えられた。
そのミナスジェライス州の州都であるベロオリゾンテで催されたパーティには、さらに規模を拡大する2年目のイベントに向けブラジル政界やモータースポーツ界の著名人が複数出席。州副知事や経済開発担当大臣、商工会議所の会長らのVIPを筆頭に、TCRサウスアメリカを率いるフェデリコ・プンテリやイベント主催者であるセルジオ・セッテ・カマラ、そしてSCBのプロモーターを務めるVicar(ヴァイカー)のCEO、リンカーン・オリベイラらも顔を揃えた。
「誰もが開催不可能だと思っていた街で、こうしてイベントが開催されたことをうれしく思っている」と挨拶したSCB代表のオリベイラ。
「2024年の初開催では、主催チーム全員が素晴らしい手腕でイベントを企画してくれた。素晴らしいレースウイークを過ごすことができ、さらに発展を遂げる2年目に向け、カテゴリーを代表して今日この場にいられることを誇りに思っている」
市の経済に2億5000万レアル(約60億円)の貢献を果たし、さらに直接的および間接的に4000人の雇用を創出。ブラジルの25州から観光客を集め、ホテル稼働率は75パーセントに達したという初年度を経て、大会のエグゼクティブディレクターを務めるセルジオ・セッテ・カマラも「ベロオリゾンテは、ブラジル・モータースポーツ界の真の象徴となった」と続ける。
■ピケJr.「まるでミニF1サーキットのよう」
「我々はこの『BHストック・フェスティバル』と、この街を『ブラジルのモナコ』として表現している。これらすべては、このプロジェクトを信じ、その実現がすべての人にとってより良いものになると信じていた前市長の献身的な努力のおかげで実現した。残念ながら、このすべてを実現する上で不可欠な存在であった人物は直近に急逝されたが、その功績を称え、感謝の意を表し、ミナスジェライス州の州都で開催されるこのステージに、今後『グランプレミオ・フアド・ノーマン』のサブネームを捧げたい」
ミネイロン市街を周回し、その地域全体を巡る全長約3200mのトラックは、ルート全体にわたって総延長約7kmのフェンス、全長4kmのガードレール、全長3kmのコンクリートブロックが設置されることになり、今季より新たにTCRサウスアメリカのカレンダーにも組み込まれることになる。
「街を変革し、良質なアスファルトを敷き、安全性、そして観客を確保することは、誰もが挑戦したいと願う課題ではあるが、ご存じのようにその実現は容易ではない」と語ったピケJr.は、今季SCBではミツビシ・エクリプスクロスを、TCRではFL5型ホンダ・シビック・タイプRをドライブする。
「だからこそ、主催者には『おめでとう』の言葉を贈りたい」と続けたピケJr.。
「昨年この街に到着したときは、まるで“ミニF1サーキット”のようだと思ったよ。だから2024年に起こったすべての出来事を目の当たりにし、本当に感銘を受けたんだ。ブラジルでは日々サーキットが減っているため、新しいサーキットが必要だ。だからこそ、このようなサーキットがあることは僕たちにとって大きな違いを生むことになるだろう」
同じく昨季、自身3度目のストックカーチャンピオンに輝いたカサグランデも、ベロオリゾンテは「挑戦心を掻き立てるトラックだ」と称賛の言葉を口にする。
「ストリートサーキットではつねに限界ギリギリで、速く走るためには壁際まで使わなければならない。でも楽しいサーキットだし、コースもとても良く設計されていると言えるね」と続けたカサグランデ。
「今季は以前よりもずっと技術的に進化した、新型モデルで戻ってくるのを本当に楽しみにしている。参加する僕たちだけでなく、皆さんにとって素晴らしいレースになることを願っている」