打率.218でも年47HRペースの“異質” 日本人離れした虎の大砲・佐藤輝明が目指すべきはMLB通算462発のスラッガー?

2025年4月18日(金)12時10分 ココカラネクスト

清水の直球を打ち砕き、確信めいて打球を見送る佐藤。(C)産経新聞社

 東京の夜空に会心の一撃を見舞った。4月17日に神宮球場で行われたヤクルト戦で、阪神の佐藤輝明は、5打数2安打、1本塁打、2打点と活躍。1点差と迫っていた8回には、一時逆転となる2ランアーチを右中間スタンドに叩き込んだ。

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 打った瞬間に本人が確信する豪快な一発だった。今季2度目となる「4番」起用となった佐藤は、森下翔太が1点差に詰め寄る適時二塁打を決めた直後の無死二塁で、ヤクルトの4番手である清水昇と対峙。カウント1-1からインコースに食い込んだ4シームを強振。高々と舞い上がった打球は、あっという間に右中間スタンドに着弾した。

 チームは9回に追いつかれながらも11回に勝ち越して7-5で接戦を制した。ヤクルトに対する連勝に大きく貢献した佐藤は、21年のジェリー・サンズ以来となる開幕15試合目までに5本塁打を放った阪神の打者ともなった。

 12球団となる5本塁打を放ち、年間47本ペーストした佐藤。プロ5年目で本格開花が期待される今季ここまでの彼にあって興味深いのは、“異質な数値”を叩き出している点だ。

 というのも、15試合を消化した時点での佐藤の打率はわずか.218(55-12)。さらに三振数は12球団トップの25と、お世辞にも「好成績」とは言い難い。一方で長打率は.564、長打率から打率を抜き、.200以上で「優秀」とされる指標「ISO」は.339を叩き出すなど図抜けたパワーを発揮。まさに当たればそれすなわち本塁打と言えるような成績を残している。

 確かにアベレージが高いにこしたことはない。しかし、日本人離れしたパワーが魅力の佐藤は、現状のまま、長打力に磨きをかけてもいいのかもしれない。環境が異なるために一概に比較はできないが、球界最高峰とされるメジャーリーグには、彼のような打者は少なくない。

 キャリア通算462本塁打を放ったアダム・ダンは“好例”と言える。彼は巨躯を利したパワーで異彩を放った一方で、三振は極めて多い打者でもあった。2012年には41本塁打を放ちながら、歴代2位となる222三振をマーク。通算8328打席のうち49.9%がホームランか三振か四球という極端な打撃傾向で異彩を放った。

 それでもダンは相手投手に「当てられたら飛ばされる」という恐怖を植え付けるスラッガーでもあった。NPBとMLBでは環境が異なるにせよ、佐藤は変に打率を意識するのではなく、ダンのように自身の強みを最大限に生かす打者になってもおもしろいように思える。前後を打っている森下が打率3割台をうち、チャンスメイクに貢献しているうちはなおさらそう思えてしまう。

 いずれにしても、彼の存在が覇権奪回を狙う藤川球児体制の阪神の肝となるだけに、引き続き、その打撃内容に注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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