ロッシ、WECイモラで表彰台の再現とタイトル争い浮上を狙う。まずは自らの手で予選ポール獲得を目指す
2025年4月19日(土)10時31分 AUTOSPORT web

チームWRTからWEC世界耐久選手権に参戦するバレンティーノ・ロッシは、今週末の2025年第2戦『イモラ6時間レース』で昨年の表彰台フィニッシュを再現することが「非常に重要な」目標であると考えている。46号車BMW M4 LMGT3は開幕戦でポイントを獲得できなかったため、LMGT3クラスのポイント差を取り戻すことを狙う。
アハマド・アル・ハーティ/ロッシ/ケルビン・ファン・デル・リンデ組の46号車BMW M4 LMGT3は、開幕戦のカタール1812kmレースで11位に終わり、ポイントを逃した。その結果、イモラにはランキング首位の33号車シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(TFスポーツ)に対して38ポイントのビハインドを抱えて臨むことになった。
しかし、BMWのLMGT3にとって昨年のイモラ大会は“ブレイクスルー”の舞台になり、46号車のロッシが2位表彰台を獲得するとともに、31号車のダレン・レオン/ショーン・ゲラエル/アウグスト・ファーフス組とチームWRTのワン・ツーフィニッシュを飾っている。
そのロッシは、一年ぶりのイモラ戦に向けて、昨年の好結果を再現することこそが、ランキングで失った順位を取り戻し、46号車BMW M4 LMGT3をタイトル争いに押し上げるうえで非常に大きな意味を持つと説明した。
「スタートダッシュは非常に重要だ。なぜなら、昨年のカタールでは4位でもう少し良いシーズンスタートを切れたけど、今年は苦しんでいる。それに(イモラは)イタリアでのレースだからね」とロッシは語った。
「昨年はマシンの競争力が高く、今年も状況は似たようなものになりそうだよ。だから、表彰台を争えるかどうかが非常に重要になる」
「昨年は良いレースがいくつかあったけど、特にここイモラでのレースが最高の結果だった。日本でふたたび表彰台を獲得したし、ル・マンでもかなりの競争力を発揮した。ただ、コースによって結果が大きく左右され、良いときもあれば、苦しむときもあった」
「例えば、フルウエットが少し苦手だから、その部分は改善の余地があるだろうね。でも、昨年のように速く走れることを願っているし、今週末は天気予報があまり良くないから、コンディションを把握する必要があるけど、今年も表彰台を目指して戦いたい」
個人的な目標を聞かれたロッシは、予選での一発タイムを改善したいと語った。特に、改訂されたLMGT3の予選フォーマットでは、シルバードライバーがハイパーポールを争う形式になったことをロッシは考慮しているようだ。
ロッシは以前、Sportscar365のインタビューで、この新しいフォーマットでの初ポールポジション獲得を目指しており「目標のひとつ」だと語っていた。その彼は「今年は面白いシーズンになる。予選トップ10に入れば、ハイパーポールはシルバードライバーの戦いになるからね」と語った。
「だから、ニュータイヤでベストラップを狙うことを頑張らないといけないんだ」
ロッシは今年、BMWでのGT3参戦3年目にしてスケジュールを大幅に縮小。GTワールドチャレンジ・ヨーロッパへのフル参戦をやめ、ミサノでのスプリントカップと、6月のスパ24時間のみ参戦する見込みだ。
その代わり、彼の活動は8レースで争われるWECが大部分を占めることになる。ロッシ自身も、このふたつのシリーズのどちらを選ぶかは「難しい決断だった」と述べている。
「最終的に、BMWはこの世界選手権(WEC)を選んだ」ロッシ。
「特に世界選手権だし、ル・マン24時間レースなどもあるからね。でも、僕にとってはそれでいいんだ。良い選手権だし、すごく気に入っているよ」
「(WECは)世界中の素晴らしいサーキットでレースをすることができる。ヨーロッパ以外のレースが多いことは運営面で少し難しいし、たくさんの努力が必要だけど、ル・マンがあるからね!」