巨人ドラ3・荒巻悠がプロ初安打で7回3点の口火! 6打席目で「やっと」初先発で大仕事「次はホームラン」

2025年4月19日(土)5時10分 スポーツ報知

記念球を手にガッツポーズする荒巻(カメラ・今成 良輔)

◆JERA セ・リーグ ヤクルト2—7巨人(18日・神宮)

7回にドラフト3位・荒巻悠内野手(22)がプロ初安打を放った。

 両手に残る確かな感触を信じ、荒巻は雄たけびを上げながら走り出した。鋭いライナーが右前に弾む。オレンジに染まる左翼席からの大歓声を浴びながら一塁ベース上で3度、両手をたたいた。6打席目で生まれた待望のプロ初安打だ。「やっと出たかと。ホッとしました」。2点リードの7回無死で甘く入った高めのチェンジアップを強振。長距離砲らしく、豪快なスイングでプロとしての一歩目を刻んだ。中押しとなる3得点の起点になった。

 「6番・一塁」でプロ初スタメン。午前中に伝えられた福岡・久留米市出身の九州男児は「やっと来たか、という感じでした。そんなに舞い上がらず。頭は冷静に、心は熱くです」と強心臓ぶりを見せつけた。試合中の鬼気迫る表情とは一変し、ほほ笑みながら初安打の記念球は両親にプレゼントすることを約束した。

 尊敬する父・伊智郎さんが、運命を決めるきっかけをつくってくれた。歩けるようになった1歳の時、伊智郎さんは愛息の前に6つの道具を並べた。お札にテニスボール、サッカーボール…。手に取ったものが、将来の“商売道具”になるはずだと。悠が真っすぐ目指して手に取ったのは、おもちゃのバット。幼稚園から2人でキャッチボールを始め、福岡・小郡高でプレーした父と同じ野球の道を歩み始めた。

 184センチ、93キロの体格を生かした長打力が最大の武器。中学時代は久留米ペトリオッズで野球をプレーしながら「格闘技が好きだったので」と単身でキックボクシングのジムにも通った。左のパワーヒッターは「パンチを打つ時もサウスポーですよ」と笑う。あこがれの那須川天心ばりの打撃をサンドバッグに打ち込み、“パンチ力”を培った。

 神宮球場はこれまでいい思い出が少なかった。上武大は3年時に明治神宮大会の初戦で敗退。4年時は、明治神宮大会出場を争う関東選手権(横浜)の1回戦で共栄大に敗れ、たどり着けなかった場所だった。「『神宮か〜』と思ったんですけど、最高の球場に変わりました」と笑顔をはじけさせた。

 笹原に続き、巨人の次代を担う若武者が2日連続でプロ初安打をマーク。阿部監督は「これからだよ。うれしかっただろうし。これで終わりじゃないからね。あと1999本目指して頑張ってほしいなと思います」と背中を押した。「打率も残しつつ、次はホームランを打ちたい」と荒巻。将来の中軸候補が力強く、歩み始めた。(内田 拓希)

 ◆荒巻 悠(あらまき・ゆう)

 ▽生まれとサイズ 2002年12月23日、福岡・久留米市。22歳。184センチ、93キロ。右投左打

 ▽球歴 祐誠(福岡)では1年夏からレギュラーで、高校通算37本塁打。上武大では1年春のリーグ戦から出場し、公式戦10本塁打

 ▽ニックネーム ユウ、マキ

 ▽飛ばし屋伝説 大学時代はフリー打撃で推定140メートル級の打球を連発。10メートル超の防球ネットを越えて隣接施設のソーラーパネルを破壊する驚弾も

 ▽登場曲 槙原敬之の「遠く遠く」。福岡・久留米出身で「故郷から遠い場所でも輝く」「打球を遠くへ飛ばす」という2つの思いが込もる

スポーツ報知

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