巨人・荒巻が味わった野球人生初の“降格” 悔しさバネに待望のプロ初安打を記録
2025年4月22日(火)7時15分 スポーツニッポン
巨人のドラフト3位・荒巻悠内野手(22)はプロ初先発を果たした18日のヤクルト戦でプロ初安打を記録した。7回先頭の通算6打席目で右前打を放つと「気持ちよかったです」と、一塁ベースに到達する前から満面の笑みがこぼれ、試合後も「やっと一本出たと思ってホッとしました」とにやけが止まらなかった。
野球人生初の“降格”をバネにして待望の「H」ランプをともしていた。祐誠(福岡)時代は1年夏から即レギュラーとして活躍し、高校通算37本塁打を誇った。部員100人以上を擁する上武大では入学直後のフリー打撃が首脳陣の目に留まり、1年春のリーグ戦から出場。ケガを除けばプロ野球の2軍や3軍にあたる「Bチーム」あるいは「Cチーム」に所属したことがなかった。
プロ入り後もキャンプは新人で唯一、1軍で過ごした。しかし、実戦で苦しみ開幕1軍には残れず、初めて2軍降格を知った。それでも「走攻守全てを見直せました」と前向きに捉える。2軍戦が雨天中止となった日はすぐさま室内練習場で打ち込むなど常に準備は怠らなかった。1軍初昇格は15日のDeNA戦から。巨人の2軍はこの日、午後5時プレーボールでオイシックスとのファーム交流戦が控えており、荒巻もチームのバスでオイシックスの本拠地である静岡・清水に移動していた。1軍昇格の連絡はその道中。タクシーでJR静岡駅に移動して午後6時の試合開始前に東京ドームに着き、7回には代打で出場して四球をもぎ取った。
1軍では21日まで6試合に出場して11打数2安打の打率・182。プロの厳しさも痛感しているが、どんな時も「やってやろうという気持ちでいますし、そのためには練習するしかありません」。この努力がいつか、目標である「巨人の4番」へつながることを期待したい。(記者コラム・村井 樹)