鹿島3位浮上 津久井、舩橋、ターレス…“伏兵”の活躍が勝利直結 けが人続出も総力戦で勝ち点3
2025年4月20日(日)19時52分 スポーツ報知
前半、藤田息吹(右)と競り合う鹿島・津久井佳祐(カメラ・朝田 秀司)
◆明治安田J1リーグ▽第11節 岡山1—2鹿島(20日・JFEス)
鹿島は岡山に2—1で逆転勝利し、リーグ戦の連敗を3で止めた。この日が51歳の誕生日だった鬼木達監督は、監督キャリア初の“バースデー勝利”を飾った。チームは3位に浮上した。
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けが人続出の厳しい台所事情の中で、“伏兵”の活躍がチームの勝利に直結した試合となった。
DF濃野公人、DF小池龍太を欠く右サイドバックで先発したのは、DF津久井佳祐。昨季終盤にサイドバックで途中出場した経験もあったが、当時の役割はセンターバックに近く、本格的なサイドバックの挑戦は「中1、2の時以来」という20歳。しかも当時は左サイドバックだった。それでも対人守備の強さはこの日も際立った。
後半5分、左からのクロスを右で拾うと。右足を強振。チャヴリッチが中で押し込んで先制点を演出した。「狙い通りのクロスです。いや、普通にシュートです」と照れながらも「自主練の成果が出たかなと思います。いい感じにボールがいってくれました」と渾身のガッツポーズで得点を喜んだ。
ロングスローという飛び道具もチームの新たな武器となったほか、ビルドアップの面でもチームに貢献。「チーム全員で勝ったなって雰囲気がロッカールームでもありました」と勝利の余韻に浸った。
MF樋口雄太が欠場したボランチでは、MF舩橋佑が途中出場で存在感を発揮。後半28分、相手DFが前重心になり、FWチャヴリッチが裏へ駆け出した絶妙なタイミングでスルーパス。得点につなげた。アシストこそつかないものの、アカデミー育ちの司令塔が、パス1つで試合を、そしてスコアを動かした。
FWレオセアラ、FW田川亨介がいない前線では、MFターレスブレーネルに「その時」が訪れた。ここまで出場機会に恵まれず、出場1試合のみだった助っ人MFは、チャヴリッチの横パスをしっかりと沈め、決勝ゴールを挙げた。「自分がチームに貢献できたこと、得点を決めることができて、それが勝利につながったことをものすごくうれしく思っています」とほほ笑んだ。
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総力戦で勝ち点3をつかむ形となったが、鬼木監督はシーズンが始まる前から「総力戦」という言葉を使用し、長いシーズンをチーム全員で戦っていく姿勢を強調していたという。指揮官は「選手を誇りに思いますし、頼もしく思っています」とうなずいた。