岡本和真 まさかのSnow Man花火との競演弾に「へえー。知らなかった」
2025年4月20日(日)5時0分 スポーツ報知
6回2死一塁、岡本が左中間に6号2ランを放つ(カメラ・中島 傑)
◆JERA セ・リーグ ヤクルト4—6巨人(19日・神宮)
巨人が開幕戦以来の逆転勝ちで、ヤクルト戦では21年ぶりとなる開幕5連勝を飾った。3点を追う6回、岡本和真内野手(28)が本塁打&打点でリーグトップに立つ6号2ランを放って追い上げると、7回には若林楽人外野手(27)の2点二塁打で逆転に成功した。先発・石川が4回降板も救援陣が踏ん張り、3番手の中川が681日ぶりの勝利を挙げた。先制を許した試合の連敗も7(1分け挟む)でストップ。2カード連続の勝ち越しを決め、2位に浮上した。
反撃の号砲が鳴った。岡本がどでかい花火を打ち上げた。3点を追う6回2死一塁。2ストライクからの3球目、山野が投じた外寄り低め147キロ直球をすくい上げた。「風に助けられて何とかホームランになってくれて良かったです」。左中間席へ飛び込む3試合ぶりの今季6号2ラン。走者を出しながら点が奪えない嫌なムードを振り払った。
お祭り騒ぎだった。5回が終了した後のグラウンド整備中。神宮球場の左翼スタンド後方の夜空が明るくなっていた。国立競技場で人気グループ「Snow Man」のライブ「1st Stadium Live Snow World」が開催されており、鮮やかな花火が次々と打ち上がった。場内が沸き立ったその直後の攻撃だ。「へえー。(花火は)知らなかった」と脇目も振らず打席に向かった。豪快な一発が雰囲気を変えた4番に、阿部監督も「和真のホームランで何かあるぞと思わせた」とうなった。
神宮でやはり輝きが一層増す。昨季は神宮での11試合で打率4割6分3厘、5本塁打、11打点と大暴れしていた。同球場での今季2戦目でアーチ。2安打2打点で、リーグ2位の打率3割6分6厘、6本塁打は単独トップで、16打点もトップタイだ。得意の地でリーグ2冠に立ち「逆転して勝てたというのは良かった」と何よりもチームの白星がうれしかった。
今季は開幕から12試合連続安打をマークするなど順調なスタートを切った。しかし、12日の広島戦(マツダ)で記録が止まると、同戦を含めて3戦10打数1安打。バットが湿りかけていた。
そんなときに、救いの手を差し伸べてくれたのが阿部監督だった。16日のDeNA戦(横浜)の試合前練習。フリー打撃中に指揮官から珍しく声をかけられた。スタンスの幅が広くなりすぎないなど打撃フォームで意識するポイントを共有。いい時も悪い時も知る指揮官の助言で思考が整理された。岡本は「自分が感じていることと、言われたことが一緒だった。アドバイスをもらって良かった」と感謝。方向性が見え、迷いは消えた。直後に2打席連続本塁打を放ち、3試合連続安打と再び波に乗った。
4番の一発で勢いづいたチームは開幕戦以来の逆転勝ちで2連勝。カード勝ち越しを決めた。「変わらず頑張っていきたいと思います」と表情を引き締めた。無双モードに突入する4番が連勝街道へと導いていく。(宮内 孝太)
外角低め手首返さず クリケットみたいだ
◆高木豊氏Point 追い込まれながら、あの外角低めを手首を返さずに持ち上げ左中間席まで運んだ。クリケットのバットで打ったような感じだった。並の打者なら右前安打どころか、反応もできず三振だろう。これこそ岡本がキャンプから追い求めてきた技術だ。
日本の打者でホームランを打つという点においてはNO1。打ち損じをなくす、率を上げることを目指して臨んだシーズンだと思うが、3冠王も意識しているはずだし、近い数字を残すだろう。(スポーツ報知評論家・高木 豊)