阪神 57年ぶり球団最悪本拠地開幕4カード勝ち越しなし 守乱も響き...球児監督「野球になっていない」
2025年4月20日(日)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神0-3広島(2025年4月19日 甲子園)
阪神は19日の広島戦(甲子園)に0—3で完敗し、勝率5割の3位に後退した。これでチームは今季ホームゲーム1勝7敗1分けと大きく負け越し。開幕からホームで4カード連続勝ち越しなしは、1952年のフランチャイズ制以降では68年以来57年ぶり2度目の球団ワーストタイとなった。敗戦後の藤川球児監督(44)は失策が絡んで先制点を奪われるなど、投打の歯車がかみ合わない展開に「野球になっていない」と厳しい表情を浮かべ、チームの立て直しを宣言した。
試合後、藤川監督の言葉には、強い危機感がにじんだ。
「チームを一つにまとめていかないといけないですね」
首位・広島相手に完敗を喫した一戦を、重く受け止めた。序盤から流れを失った要因は拙守だ。2回、先頭・ファビアンの遊ゴロを木浪がファンブル。嫌な形で出塁を許すと、2死一、三塁から矢野の三遊間への深いゴロに追いついた木浪が今度は一塁へ悪送球。痛恨の適時失策で先制点を献上した。なおも2死二、三塁で羽月に中前2点適時打も許し、3点を失った。
木浪は9回にもミスを犯し、自己ワーストタイの1試合3失策。藤川監督は5回3失点ながら自責0のデュプランティエを「かわいそうでしたね」とかばった一方で、ミス連発の2回の守備について問われると「使ってる方が悪いでしょうね。こちらの責任」と厳しい表情を浮かべた。
頼みの打線も苦戦した。3点を先制された直後の2回は1死から前川が右翼フェンス直撃の三塁打を放つも、坂本、木浪が凡退。6回は1死から近本が左中間を破る当たりで三塁を狙い、中継プレーに阻まれた。直後に中野、森下に連打が出て2死満塁まで攻め立てたが、最後は大山が遊ゴロに倒れた。好機であと1本が出ない展開に、指揮官は再び語気を強めた。
「そこ(チャンスをつくる)まで行くまでのことも、やっていかなければいけないことが(ある)。特にこの甲子園での戦い方というのを選手たちも含めて、見直させる必要がある。しっかりした野球をやらないと。野球になってないですね」
地の利があるはずのホームゲームで劣勢が続き、これでチームは球団ワーストタイとなる開幕からホームで4カード連続の勝ち越しなし。藤川監督は切り替えるように言葉を続けた。「甲子園でね、ファンの方来てくれてますから。チームとしてゲームを運ばせなければいけないので、やっていきますよ」。この敗戦を機に、チーム全体で足元を見つめ直す。(遠藤 礼)