ソフトバンク・栗原 王会長&柳田の金言で目覚めた!今季初打点のV打に猛打賞で連敗止めた
2025年4月21日(月)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク3-1西武(2025年4月20日 ベルーナD)
ソフトバンクは栗原陵矢内野手(28)が1—1の3回1死一、三塁、右前へ今季初打点となる決勝適時打を放つなど猛打賞。チームでも5試合ぶりのタイムリーとなり、逆転勝利で今季ワーストの連敗を5で止めた。今季初先発だった東浜巨投手(34)は先制点を与えながら粘り、7回3安打1失点で今季初勝利。開幕に不在だった2人の活躍でチームがトンネルを抜けた。
結果に飢えていた栗原が、少しだけ解放された。欲しいものが出て、素直に喜んだ。
「チャンスで何とかね。打点が欲しいというか、勝ち越せるように。結果が欲しかった。勝ちが欲しかった。一打が出た。良かった」と余韻に浸った。
1—1の3回1死一、三塁。2打席目だった。追い込まれてからも意地でフルカウントに持ち込む。西武先発・渡辺の7球目カットボールを捉えた打球は右前へ抜けた。三塁走者の周東が生還し、これが決勝点になる。チームは15日の楽天戦を最後に4試合連続適時打なし。そしてチームも5連敗。栗原の一打は42イニング、5試合ぶりのタイムリーだった。
1軍に復帰し、出場4試合目での今季初打点から3番打者は、さらに乗った。5回先頭で右前打、7回1死は中前打でいずれもチャンスメーク。「一打席、一打席、集中することは変わらないので」。基本的なことを言うが試合前にも気付かされることがあった。
小久保ホークスでワースト5連敗の状況下で王会長が来訪し、試合前に激励してくれた。「物事はシンプルに考えていこう。うまく物事がいかないときはやるべきことをシンプルにやるだけ」。打席で素直に実践した。前夜には右脛骨(けいこつ)骨挫傷で離脱中の柳田にLINEをした。「どうやったらチームは勝てますかね?」。返事は「野球うまくなるしかない」の一言。シンプルに考え、今季初猛打賞とした。
3月のオープン戦で右脇腹を痛めて開幕戦は不在。ようやく17日の楽天戦から復帰した。三塁手でスタメンを続ける中、チームの惨状には「全員が勝ちたい思いでやっている。でも勝ち越しが少ない」と責任を感じていたが、ようやく自らのバットでV撃だ。「これでチームが一つとなって雰囲気が上がればいい」と前を向けた。
拙攻続きのトンネルを抜けた。18日には61年ぶりの無安打有得点試合で1—2と敗れ、19日は隅田に「1—0完封」を許したが、切り替えた栗原を中心にチームは6試合ぶりの2桁12安打を放った。小久保監督も「一つ出て気楽にいけたと思う」と栗原を称えつつ「会長まで来られて。心配をかけた。みんな必死にやっているし、やるべきことをやろうとしている」と燃えたぎる思いを強くした。
栗原は柳田の言葉を受けてこう、締めた。「野球をもっと、うまくなろうと思います」。頼りになる鷹の3番打者が、ようやく復活ののろしを上げた。(井上 満夫)