阪神・近本 3安打3得点1盗塁と躍動「打球の強さが良かった」 1試合3本の内野安打は球団15年ぶり
2025年4月21日(月)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神8-1広島(2025年4月20日 甲子園)
阪神・近本がリードオフマンの役目を完遂した。全て先頭打者だった第1、2、3打席で、いずれも内野安打で出塁。中野の犠打や自身の盗塁で進塁すると、佐藤輝のバットで3連続でホームを踏んだ。
「(1番の役割を)凄いできましたね」と自他ともに認める働きに照れ笑い。特に、菊池&矢野の鉄壁の二遊間から、二塁、遊撃、二塁の順で内野安打をもぎとったのは、盗塁王5回の韋駄天(いだてん)ならでは。1試合3本の内野安打は、10年7月2日の巨人戦で平野恵一がマークして以来、球団では15年ぶりとなった。
「いやもう、本当に飛んだところと、打球の強さが良かったかなと思います」
前日の試合は、守備の乱れもあったが、攻撃面も9残塁とかみ合わずに0—3で敗戦。試合後に藤川監督が「この甲子園での戦い方というのを選手たちも含めて、見直させる必要がある。しっかりした野球をやらないと。野球になっていないですね」と珍しく厳しい口調で振り返った。
一夜が明けた初回から1番が出て、2番が送り、4番が還すという理想的な攻撃を展開。指揮官は「丁寧にするとか、そういうところの一環なのかなと。全部総合で見ているので、点ではあんまり考えていない」とはぐらかしたが、選手、首脳陣ともに前夜の教訓をしっかり胸に刻んで戦った結果に見えた。
近本は二塁内野安打で出塁した5回は、一塁上で再三、バッテリーを揺さぶり、中野の打席の5球目で楽々と今季2個目の盗塁に成功。3安打3得点1盗塁の躍動で伊原を援護し「結果的にそういう形になって良かった」とうなずいた。
今季3度目の猛打賞で打率も・289まで上昇。攻撃のスイッチを入れる近本が打てば打つほど、打線が活性化していくのは間違いない。 (山添 晴治)