大シャッフル起こるか 今オフの”捕手FA”で注目される「意外なキーマン」「プライスリーダー」とは

2024年4月23日(火)12時1分 ココカラネクスト

坂本は昨年自己最多の84試合に出場した(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 中日の捕手・木下拓哉が4月22日、国内FA権の取得条件を満たした。トヨタ自動車を経て15年のドラフト3位入団。20年から正捕手としてチームに定着、近年は「打てる捕手」としても存在感を高めている。

 そして今季はまれにみる「捕手FA」の年としてひそかに注目を集めている。

【動画】さすがの勝負強さ!巨人・大城が広島戦でサヨナラ打を放ったシーン

 木下以外にもソフトバンク・甲斐拓也、阪神・坂本誠志郎、巨人・大城卓三といった各球団の正捕手候補が一斉にFA取得年を迎える。

 捕手というのは育成が難しいポジションとして知られ、一朝一夕では育たないことで、若手捕手を育てるためにも安定的な力を持つベテラン捕手が求められる側面もある。何より扇の要としてチームを引っ張る、安定的な正捕手候補が移籍を決意するとなれば、そのチームにとっても緊急事態を迎えることになる。

 その意味で”陰のキーマン”と目されるのは昨年日本一を達成した阪神を支える坂本にもある。坂本もすでに今月14日に国内FA権を取得している。

 明大を経て15年ドラフト2位入団。昨年8月中旬以降は負傷した梅野隆太郎に代わって先発マスクをかぶり、自己最多の84試合に出場、たくみなリードで投手陣を引っ張った。オリックスとの日本シリーズでは打撃でも存在感を示すなど奮闘、自身初のゴールデン・グラブに輝くなど飛躍の年となった。

 一方、今後常勝軍団を目指すチームにおいては仮に坂本を欠くようなことがあれば一大事となる。開幕前には梅野がコンディション不良で出遅れる中、梅野、坂本に次ぐ「第3捕手」の存在がクローズアップされた時期もあった。栄枝裕貴、長坂拳弥のリード面に岡田監督も苦言を呈す場面もあるなど、先発マスクを任される2人と控えの力の差が如実に現れたとあって、育成がより重要視された。

 また巨人では昨年最も多くマスクをかぶり、主戦捕手を務めた大城も最近の起用が注目されている。阿部慎之助監督は、大城、ベテランの小林誠司、岸田行倫と3人併用の構えで最近の試合に臨んでおり、大城の成長を促すためともされるが、ベンチを温める機会は増えている。

 そんな中、捕手FAの”大本命”はソフトバンクの育成の星としても知られる甲斐だ。強肩と強気なリードが持ち味の扇の要は侍ジャパンでも正捕手を務めるなど経験も豊富。仮に甲斐が手をあげれば、複数球団が獲得に動くのは必至と見られる。

 昨オフは球団からの複数年契約を断り、単年勝負を選択したことも話題を呼んだ。甲斐が移籍を決意すれば、常勝軍団に大きな穴があくとあって、玉つき的にほかの選手の去就にも影響を及ぼしそうだ。ソフトバンクといえば潤沢な資金面でも知られ、その球団がFA捕手の獲得に動くとなれば「プライスリーダー」としても注目を集めることになる。

 FAはほぼ無風の年もあれば、大きく動く年もある。今季は「捕手FA」以外にも、阪神の主力が多くFAを迎えるなど、様々なポイントで早くも水面下で話題を集めている。FA取得年はオフの評価にも直結するとあって、選手にとっても力の見せどころととなる。ペナントの行方とともに、今季は各選手のパフォーマンスに注目しながら観戦するのも一つの楽しみ方になるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「捕手」をもっと詳しく

「捕手」のニュース

「捕手」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ