ソフトバンク・川瀬「当たって砕けろと」9回2死満塁で2点差を追いつく、ひと振り
2025年4月23日(水)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク5—5オリックス(2025年4月22日 みずほペイペイD)
ソフトバンクの川瀬晃内野手(27)が22日、9回に同点に追い付く2点タイムリーを放った。2死満塁でマチャドから7球連続ファウル後に右前へ2点打。代走から途中出場し、この試合最初の打席で大きな仕事をした。今季ビジターで8連勝中だった首位チームに食い下がり、試合は延長に突入。今季両リーグ最長試合4時間32分の激闘の末、5—5で12回引き分けに終わった。
集中力だけではない。気迫、執念もバットに乗り移った。途中出場の川瀬が大仕事をした。土壇場での一振りで試合を振り出しに戻した。
「とにかく気持ちで負けることなく、強い気持ちを持って打席に立ちました。追い込まれても絶対に走者を還そうと気持ちは負けていませんでした。もう当たって砕けろと」
3—5の9回2死満塁。この日の1打席目でマチャドと対峙(たいじ)し、初球から7球連続ファウル後、8球目の内寄り直球を振り抜いた。打球は右前で弾む。走者2人が生還し、同点に追い付いた。
「とにかく振り出しに。積極的にスイングを仕掛けることができていたので最後も難しい内角をうまくバットの芯で捉えることができた」。ガッツポーズを繰り返し、球場は興奮で包まれた。
出場11試合目で初打点をマーク。「少ない出番でいかにチームに貢献するか」と言い続ける小久保ホークスには欠かせない万能内野手だ。「まさかのDHで途中出場。山川さんの打席と思っていきました」とうなずいた。
15日に本拠地に隣接する商業施設で、今宮と自身の特別展示が始まった。開催初日に内覧した際、8日のオリックス戦で3球三振を喫した弟・堅斗との今季初対戦が話題となった。昨季から計4打数無安打。「今年初三振が弟からで屈辱です。この話はもういいかな。打った時に言います。自分から」と雪辱を狙っていた。相手は弟ではなくマチャドだったが、兄は貴重な仕事を果たした。
ビジター8連勝中だった相手との激闘は痛み分けに終わった。何とか意地を見せて、本拠地では1勝8敗1分けとなった。「ホームですから。何とか勝たないといけないですね」。試合前に士気を高めていた小久保監督は「本当にナイスバッティング。ストライク勝負でね」と川瀬の活躍を称えた。
川瀬は「ここから勝ちにつなげられるように」と意気込んだ。きょう23日のカード2戦目では本拠地2勝目に導く大仕事を狙う。 (井上 満夫)