【高校野球】桐陽がセンバツ出場校の常葉大菊川撃破…望月佑哉投手が2失点完投…春季静岡県大会準々決勝
2025年4月28日(月)6時25分 スポーツ報知
5回1死二、三塁、相手暴投で生還した遠藤(左)をベンチで迎える桐陽の選手たち(カメラ・伊藤 明日香)
◆高校野球◇春季静岡県大会 ▽準々決勝 常葉大菊川2−6桐陽(27日・草薙球場)
4強が出そろった。桐陽が今センバツ出場校の常葉大菊川に6—2と大金星を挙げた。望月佑哉投手(3年)が2失点完投。昨秋の県準々決勝で敗れた雪辱を果たして、春初の準決勝進出を果たした。東海切符が懸かる準決勝は5月3日、草薙球場において桐陽—日大三島、磐田南—聖隷クリストファーのカードで行われる。
気合で投げ切った。桐陽の望月は7回に右足親指の皮がむけるアクシデントにも負けず、完投。秋春連覇を狙った常葉大菊川を8安打、7奪三振で2失点に抑え、勝利の立役者となった。チーム目標の昨秋の県8強超えも達成し「素直にうれしい。菊川に勝てたことはチームにとっても、すごくレベルアップにつながる経験になります」と胸を張った。新井晶登監督(49)は「ベスト4の壁をようやく超えることができて、夢のような気持ちです」と喜びをかみしめた。
王者とは昨秋の県大会準々決勝でも対戦。0—5で敗れた。エースナンバーを背負い、先発を務めた望月は7回5失点、チームも完封負けを喫した。「手も足も出なかった」と振り返る。それでも、昨年11月に今センバツの21世紀枠県推薦校に選出されたことが、やる気アップにつながった。 「打倒・菊川」を胸に冬を過ごした。評価要素のひとつであった栄養を意識した食トレが実を結び、6キロ体重が増加。今春、背番号が10に“降格”した悔しさも糧にして、さらに練習に励んできた。結果、昨秋は打たれたスライダーの球威が明らかにアップした。
26日の3回戦終了後に菊川との再戦が決まると「自分たちで倒せるチャンスが来た」と闘志満々でこの日の試合に臨んだ。5回に味方が2点を取って逆転した後の守備で1死二、三塁のピンチを迎えたが、「一番苦しかった」場面を連続三振。最後はスライダーで切ってとり、成長を証明して見せた。無失点で切り抜け、マウンド上でガッツポーズし、感情を爆発させた。
次戦は、東海大会出場の初切符が懸かる準決勝。相手は強豪の日大三島だが、勢いのまま一気に頂まで突き進む。(伊藤 明日香)
〇…常葉大菊川は今春センバツ初戦で敗戦投手となった2年生左腕・佐藤大介が公式戦初先発も、結果を残せなかった。6回3失点で、2点は暴投によるもの。石岡諒哉監督(35)は「今回も大介で負けた。能力がある子、これで本人が気づくかどうか」と話した。今大会はエース左腕・大村昂輝(3年)を登板させず、投手力底上げを図ってきた。「春の(ベンチ入り)20人はこれでリセット。夏に向けて活性化させていかないと」と指揮官は前を向いた。