開幕1か月、ソフトバンクがダイエー時代以来の最下位…野手陣健闘も防御率ワースト
2025年4月29日(火)9時21分 読売新聞
ソフトバンクの投打成績
プロ野球は開幕から1か月が経過し、昨季のパ・リーグ王者ソフトバンクが苦しんでいる。投打がかみ合わない試合が続き、ここまで24試合を終えて9勝13敗2分け、勝率4割9厘で6位。開幕から1か月の時点で最下位に甘んじるのは、ダイエー時代の1996年以来29年ぶりだ。(緒方裕明)
最大の原因は、「野球はピッチャー」と小久保監督が重要性を強調してきた投手陣の不調だ。開幕戦ではエースの有原が7回7失点と崩れ、チームはそのまま開幕3連敗を喫した。防御率5点台と低迷する守護神オスナをはじめ勝ちパターンの救援投手も失点が目立ち、抜群の安定感で昨季の優勝に貢献した投手陣のチーム防御率はリーグ最下位。倉野投手コーチは「投手陣全体として、打者に向かっていく強い気持ちが必要」と危機感を口にした。
打線は当初見込んでいたプランが大きく崩れた。オープン戦で栗原が右脇腹を痛めて出遅れ、近藤も開幕3連戦の直後に腰の手術のため離脱。その後も柳田が自打球で右脚を負傷し、正木も左肩の亜脱臼で戦列を離れた。コンディション不良を抱える周東、今宮の欠場も続き、全試合出場を続けているのは4番の山川だけになった。
首脳陣は代打に専念させる予定だった中村をスタメンで起用したり、広瀬隆、柳町ら開幕を二軍で迎えた選手を一軍に昇格させたりしながら主力の不在に対応。ここまでリーグ2位の86得点と健闘しているものの、本調子ではない投手陣をカバーするには至っていない。
連勝と連敗を繰り返して戦いぶりは安定しないが、首位オリックスとのゲーム差は3・5。何とか持ちこたえており、指揮官は「今いるメンバーが最強。過去は戻ってこない」と前を向く。29日に本拠地で始まる9連戦がシーズン前半のヤマ場になりそうだ。