巨人・山崎伊織セ界新記録 開幕35イニング無失点 偉業支えた小林と今村の“落書き”…阿部監督「もう100点です」

2025年5月1日(木)5時0分 スポーツ報知

7回無失点の好投で4勝目を挙げた山崎。開幕からの無失点記録をさらに伸ばした(カメラ・小林 泰斗)

◆JERA セ・リーグ 巨人2—0広島(30日・東京ドーム)

 巨人の山崎伊織投手(26)が開幕からの連続イニング無失点を35回とし、セ・リーグ新記録を樹立した。広島相手に7回5安打無失点の好投で、リーグトップに並ぶ無傷の4勝目。打っては今季初スタメンの増田陸内野手(24)が6回、大瀬良から均衡を破る2点二塁打を放ち、2022年8月4日の阪神戦(東京D)以来1000日ぶりの打点を挙げた。チームは今季2度目の3連勝。敗れた阪神に替わって、4月10日以来の首位に浮上した。

 深く呼吸し、山崎は集中力を高めた。バットが空を切ると、拳を突き上げるようなガッツポーズで雄たけびを上げ、「伊織コール」を全身で浴びた。2点リードの7回1死から連打を許して一、二塁となり、もう一度ギアを入れた。代打・坂倉、代打・堂林をフォークで2者連続空振り三振。こん身のガッツポーズから、気持ちがあふれ出た。

 「ゼロでいけたことはうれしいけど、本当に試合で勝てたことがうれしい。最高です」。7回112球、5安打無失点で、開幕から35回連続無失点。63年中井悦雄、23年村上頌樹の開幕31回連続無失点を超えるリーグ新記録を打ち立て、うれしそうにお立ち台に上がった。

 無双状態だ。初回を抑え、07年高橋尚成の28回を超える球団新記録を樹立すると、勢いに乗った。5、6回以外は毎回走者を背負いながら、この日も本塁は踏ませなかった。「投げミスもいっぱいあったけど、追い込んでから低くを意識して投げ切れたのはよかった」。直球は最速151キロと出力十分。フォークもさえ渡って6三振を奪い、リーグトップタイの4勝目を挙げた。月間防御率0・00では2リーグ制以降最長となる35イニングを投げ、阿部監督も「もう100点です」と拍手した。

 帽子のつばに書かれたエールに背中を押された。昨季はエース級の活躍でチームをけん引したが、今季のオープン戦は防御率6・48。「ボールは悪くなかったからちょっとしたことなんやろうけど」と語りながらも、不安が募った。そんな時、2軍で調整中の小林に言われた。「いつもみたいに楽しそうじゃないな。お前いつもそんなんじゃないやろ?」。数日後の先発投手練習。G球場のロッカーに置いてある帽子を手に取ると、マジックで文字が書かれていた。小林から「楽しめ!」、今村から「やれるだけやろ?」—。激励の言葉とサインだった。

 チームメートの愛が染みた。「ほんと優しい。誠司さんはオープン戦も全部見てくれてた」。場所は違えど、気遣ってくれる先輩の思いに奮い立った。「やれるだけやる」と、開幕までの1週間、テイクバックを小さく修正してフォークも改良。「楽しめ」との言葉を胸の真ん中に置き、マウンドでは甲斐と会話しながら打者との駆け引きを楽しんだ。

 3連勝で阪神をかわして首位に浮上。山崎は1939年高橋敏(阪急)が持つ開幕から38回1/3連続無失点のプロ野球記録も手の届くところに来た。「記録もアレなんですけど、先発としてしっかりと試合をつくって来週も勝てるように頑張ります」。ただガムシャラに勝利を目指した先に、プロ野球レコードが見えてくる。(水上 智恵)

スポーツ報知

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