八村塁「体作りを意識」 NBA6年目は高確率の3Pで名門に貢献...一方で強い思い主張した代表への苦言
2025年5月1日(木)14時13分 スポーツニッポン
◇NBAプレーオフ1回戦・第5戦 レイカーズ96ー103ウルブズ(2025年4月30日 クリプト・ドットコム・アリーナ)
レイカーズの八村塁(27)が4月30日(日本時間5月1日)、西プレーオフ(PO)1回戦第5戦の本拠地ウルブズ戦に先発出場。豪快なダンクシュートや今季最多タイの5本の3Pシュートを含む23得点の躍動を見せた。しかしチームは大接戦の死闘に競り負けて1回戦敗退が決定した。
昨年夏はパリ五輪男子バスケットボール日本代表として2度目の五輪出場した八村。大黒柱としてチームを支える活躍を見せていた。「個人としてもあまりいい結果に終われなかった」と1次リーグ第2戦となったフランス戦の第4Q途中に2度目のアンスポーツマンライクファウルで退場。その後、左腓腹筋の負傷で無念の代表離脱となった。
NBAのキャンプインまでにケガも完治。開幕前はレブロン・ジェームズと一緒にトレーニングを実施した。「チームとしての役割を渡された中で体作りとか、そういうところを意識しましたし、シーズン通してスタメンで、ずっと試合に出ることもわかってたので、長い時間試合に出れて、80試合できるっていう目標をしてやってたので、その中でその体作りを意識してやってました」と明かした。
今季からチームを率いたJJ・レディック監督からもシーズン前から信頼された。開幕から先発に定着して、チームに貢献した。
八村の姿にレディック監督は「チーム内で最もコーチングスタッフの要求に一貫して応えている選手。ディフェンス時にはボールのないところでも正しい動きをしている」と守備で称賛した。
2月のトレード期限前には自身がトレードに絡む噂が飛び交う中で、レイカーズが歴史的トレードを敢行した。チームの大黒柱だったアンソニー・デイビスと昨季得点王のマーベリックスのルカ・ドンチッチを含む大型トレードを成立させた。
大胆なテコ入れしたチームでも八村はチームに献身的なプレーを見せた。レブロン・ジェームズ、ドンチッチと共存して、今季は59試合出場。自己ベスト1試合平均31.7分、平均13.1得点、5.0リバウンドをマーク。そしてレギュラーシーズンで102本の3Pシュートを成功させた。さらに2年連続の40%超えとなる3P成功率41.3%という高確率の数字を残した。
チームは優勝した19ー20シーズン以来となるシーズン50勝に到達し、西3位を確保。西カンファレンスプレーオフ1回戦で西6位ウルブズと対戦。しかし相手の勢いに止めることは出来なかった。第4戦と第5戦では今季最多タイの5本の3Pシュートを決めるなどチームに貢献したが力及ばず。対戦成績1勝4敗で敗退し、6年目のシーズンは終焉した。
「本当に残念です。まさか1回戦で敗退するとは思っていませんでした。シリーズが始まる前は良い感触を持っていました。少し悲しいです」と悔しさを吐露した。
一方で、昨年11月の試合後に日本バスケットボール協会(JBA)に苦言を呈した。「あまり言いたいことではない」とした上で「日本代表のやり方というか、あまり僕としてはうれしくないところがある」と切り出した。「僕が思うに、お金の目的がある気がする」と強化方針を指摘。
さらに「僕らは日本の男子のトップのプレーヤー。日本代表にふさわしい、男子のことを分かっている、アスリートとしてプロでもやっていた、そういう人がコーチになってほしかった」とコーチ選定にも不満を口にした。
日本代表への思いが強いからこその苦言。この発言後、大きな物議を醸した。その中で、西3位を確定させた4月11日(日本時間12日)の試合後のコート上インタビューで、今夏は日本でキャンプを行うことを明言。そして自身のXでも「BLACKSAMURAI」と動画を投稿し、「夏、日本で会いましょう」と約束した。
シーズンを終えて「まず体をケアして、疲れが溜まってると思うので、それをやってからの自分のどういうふうに方針していくかっていうのも決まると思うので、そこをしっかり自分でも考えていきたいなと思います」と来季に向けた準備について語った。
日本の未来のために活動する八村の姿にも注目が集まる。