赤星憲広氏 ポイントは6回の先頭打者・近本 苦戦していた直球を完璧に捉えて流れ引き寄せた

2025年5月3日(土)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神4—0ヤクルト(2025年5月2日 甲子園)

 【赤星憲広 視点】1球で試合が大きく動いた。6回先頭の近本が初球146キロの真っすぐを右前打。中野がバントで送り、森下が四球。佐藤輝の先制打から一気に3得点した。

 ヤクルト先発・吉村の調子は良かった。特に真っすぐに力があった。そのため阪神の攻撃陣は苦戦。5回までの打者2巡は、初回の森下(カーブ)、2回の坂本(スライダー)と2安打はいずれも変化球。しかし6回に近本が、その真っすぐを完璧に捉えたことで、相手バッテリーは3巡目に入り真っすぐに合ってきたと思ったはず。6回1死二塁で森下は1ボールからフォーク、カットボール、カットボール、フォークと続いた変化球には手を出さず、続く佐藤輝にはフォークが3球続いた。佐藤輝は2打席目までは真っすぐからのフォークの緩急差で打ち取られていた。しかし6回は相手バッテリーが疑心暗鬼になったのか、それとも裏をかいてきたのか、真っすぐは減った。

 2点目となる大山の中前適時打も低めの難しいフォークだったが、対応した。

 5回までは両投手による緊迫の投手戦だったが、近本の1本から流れができた。森下も前日1日の中日戦では1四球のみの4打数無安打でヒットを打ちたかっただろうが、我慢してつかんだ四球が3得点に膨らんだとみる。出塁して、進めて、ためて、還して…。1本の“線”になった。 (スポニチ本紙評論家)

スポーツニッポン

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