【宏太’Sチェック】J2札幌の勝利を導いた前からの「圧」サイドでのロスト減らして複数得点を
2025年5月5日(月)0時15分 スポーツ報知
サポーターの声援に応えるJ2札幌の選手たち
◆J2第13節 札幌1—0山形(3日・NDスタ)
山形戦は前線からのプレスがしっかり効いていた。バカヨコと金の2トップにしたことで相手を追いやすい状況が生まれ、後ろも狙いどころを持ってボールを取りにいけた。去年まで指揮したミシャの時はボールを保持することで相手を上下左右に動かして「圧」をかけていた。山形戦は前からの「圧」を続けたことで試合を優位に進められ、前線で近藤が相手ボールを奪っての得点にもつながった。
勝ちはしたが、内容的に1—0というスコアは寂しい。前半に何度もあったチャンスを決めていれば、もっと楽な展開になった。複数得点に至らなかった要因はサイド。起点にならなければいけない近藤のところで、ボールをロストする場面が多かった。
彼がいることで相手は警戒し、札幌の右サイドに人数をかけてくるという利点はある。ただ抜ける時は抜けるというプレーでは、中の選手も入ってきづらい。もっとボールを失うことにシビアになれば、より相手の脅威になれるし、その意識が変わってくるだけで飛び出しのタイミングも良くなってくるもの。今後のカギを握る一人であることは間違いないのだから。期待を込めて厳しく言いたい。
序盤戦は苦しんだが、前節・長崎戦から荒野が入ったことでボールの出し入れの質が良くなり、全体が落ち着いた。西野や家泉のロングボールへの対応は素晴らしいし、簡単に失点しないようになっているのは大きい。何度も言っているがほんのちょっとの差でチームは変わってくるもの。ボールを大事にし、いい選択をすることにこだわっていけば、もっといい試合はできてくる。(吉原 宏太、1996〜99年札幌FW)