阪神・森下 勢い止まらん2年連続4戦連発!田淵以来球団右打者52年ぶり 「とにかく後ろにつなぐ意識」
2025年5月8日(木)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4—6巨人(2025年5月7日 東京D)
阪神・森下翔太外野手(24)が7日、巨人戦で5回1死一塁から左翼席へ4試合連続本塁打となる6号2ランを放った。昨年9月8〜13日に続く4戦連発で、球団の右打者で2年連続でマークするのは72、73年の田淵幸一以来、52年ぶり2人目。東京ドームでの巨人3連戦全てで一発を放ったのは球団の日本選手では初めてだ。チームは4—6で敗戦。開幕から続いた東京ドームでの連勝は「5」で止まっても、森下の勢いに陰りは一切見えない。
お立ち台に立った巨人・坂本の登場曲、GReeeeNの「キセキ」をBGMに、カメラのシャッター音と歓声がグラウンドに響く。勝者にだけ許された祝祭が恨めしい。歓喜の戦場と、悲哀の三塁ベンチ裏をつなぐ一本の通路。練習着に着替えた森下は、快打の感触を淡々と回想した。
「いつも通り引っ張った。3ボール(2ストライク)だったので、四球は出したくないけど、際どい球は来るかな、と。そこはたまたま甘くなっただけ」
4回2死無走者から4点を奪われ、スコアは2—6に。過去2試合とは異なる劣勢にも動じなかった。直後の5回の攻撃、1死から左前打した中野を一塁に置き、第3打席へ。18・44メートル先には山崎。敵失を絡めて奪った2回の1点で、連続無失点記録を36回で止めても、自責点や被弾はまだ山崎にない。難敵が続ける防御率0・00に、森下の一撃で終止符を打ってみせた。
「点差(4点)もあったので、とにかく後ろにつなぐ意識。球もしっかり見極めて、我慢できていました」
見逃し、ファウルであっさり追い込まれながら、フルカウントまで持ち込んだ。丁寧に低めを突く山崎との根比べを制し、8球目のど真ん中に反応。まばたきすら許さぬ弾丸が、左翼席へ突き刺さった。5、6日の再現VTRを見ているかのような鋭い弾道だった。
「結果なので。準備の段階では“これ”はありますけど、結果は別に、準備をしていれば伴ってくるもの。特に意識はしていない」
右打者では、72、73年の田淵幸一以来、球団2人目の「2年連続4戦連発」。東京ドームでの巨人3連戦で3戦連発は、03年アリアス以来で、日本選手初の快挙だ。巨人とは再び同率首位となったが、絶好調の森下がバットを振れば、歴史の扉がおのずと開く。
「状態が良いというわけではなく、修正ができている。そういったところが(今後に)つながってくる。143試合ある中で調子が良い、悪いで済ませていたら、調子が悪い時に落ちる一方」
冷静な自己分析ゆえ、止まぬ快音。9日からは敵地で3連敗した中日を聖地に迎え撃つ。思い描くのは、逆襲のアーチだ。(八木 勇磨)
≪球団日本選手初東京Dで同一カード3戦連発≫
○…森下(神)が5回に6号2ラン。4日のヤクルト戦から4試合連続本塁打で、昨季9月8日ヤクルト戦から13日広島戦の4試合連続以来、自身2度目。阪神で4試合以上連続本塁打を2度以上は、ブラゼルが09年(4試合)、10年(5試合)に記録して以来。右打者では新庄剛志の96、00年(4試合)以来25年ぶり。右打者の連続シーズンは田淵幸一の72、73年(4試合)以来52年ぶり。
○…阪神選手の巨人戦同一カード3連戦で3連発は03年4月11〜13日、東京ドームでのアリアス以来で日本選手では91年4月9〜11日、甲子園での八木裕以来34年ぶり。日本選手が東京ドームで達成は森下が初めて。