主砲離脱後は1割台だった巨人の吉川尚輝、起死回生の一発…指揮官「あれは尚輝にしか打てない」

2025年5月17日(土)6時0分 読売新聞

8回2死1、2塁、逆転3ランを放ち喜ぶ吉川=片岡航希撮影

 巨人4—2中日(セ・リーグ=16日)——巨人が逆転勝ちで連敗を4で止めた。四回に増田陸のソロ本塁打で先行し、1点を追う八回に吉川が3ランを放った。中日は救援陣が踏ん張りきれなかった。

 4連敗中の巨人を救った吉川がお立ち台で口元をゆがめ、言葉を詰まらせた。「本当にチームが苦しい状況でしたし、僕もなかなかいい場面で打てていなかったので……」。東京ドームの歓声が、背中を押すようにひときわ大きくなる。逆転3ランを放ったヒーローは、それほど強い責任感でグラウンドに立っていた。

 この日も劣勢だった。打線はドラフト1位左腕の金丸夢斗(関大)を打ちあぐねるなど、七回までわずか3安打で得点は増田陸のソロのみ。同点の八回、大勢が上林に勝ち越しソロを浴び、試合の雰囲気はさらに重苦しくなる。その裏、中山の二塁打を足がかりに作った二死一、二塁の好機。ここまで3打数無安打の吉川に打席が回ってきた。

 「本当に、何とかしたい気持ちだけだった」。斎藤が投じた初球、見送ればボール球になるかという内角球を振り抜いた。打球は右翼ポール際に飛び込む今季1号に。阿部監督が「あれは尚輝にしか打てない。『もう一回打って』と言われても打てない」と絶賛する一本だった。

 主砲岡本の故障離脱から苦境が続くチームにあって、とりわけ強い思いを秘める。ともに2018年から一軍に定着し、昨季は全143試合に出場してリーグ優勝に貢献。今季も3、4番として開幕からチームを引っ張ってきた。「僕たちもベテランではまだないかもしれないけれど、中堅選手として、火がつくものがあるというか、『やらないといけない』という思いを持っている」と力を込めた。

 岡本の離脱翌日から2戦、4番を任されたがノーヒット。その後も試合前まで打率1割台と低迷。起死回生の今季初アーチは自身も救う一打となったに違いない。(佐野司)

巨人・阿部監督「(吉川が本塁打で)悪い流れを一掃してくれた。本当にチームを助けてくれた。(増田陸は)必死さが伝わってくる。頑張ってくれているので、少しでも長く続けてほしい」

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