大の里の横綱昇進確率は60%と2度ほど書いた 申し訳ないが…元大関・琴風の目
2025年5月19日(月)5時10分 スポーツ報知
◆大相撲 ▽夏場所8日目(18日、東京・両国国技館)
初の綱取りに挑む大関・大の里が、西前頭3枚目の平戸海を一方的に押し出して8連勝。勝ち越しを決め、単独首位に立った。全勝ターンは優勝した昨年秋場所以来。年6場所制となった1958年以降では初めての初土俵から全場所勝ち越しでの横綱昇進へ突き進む。東前頭7枚目・伯桜鵬は、東前頭10枚目・明生に敗れ、初黒星を喫した。大の里を1差で若隆景、伯桜鵬、安青錦の3人が追う。
強かった。大の里が平戸海を圧倒した。立ち合いの圧力で勝負あり。平戸海は何もできずに引くしかなかった。腰もしっかりと下りて左右の突きで押し出した。“横綱相撲”だ。
このコラムで横綱に昇進する確率は60%と2度ほど書いた。申し訳ないが、100点満点の8連勝を見て70%に修正させてもらうことをお許し願いたい。それでも、まだ“当確”とは打てない。それは横綱が簡単には手が届かない“神の領域”だと思っているからだ。私にも綱取り場所があったが、「自分が横綱になっていいのか」と思い、土俵に上がるのが怖くなった。心技体の心から崩れた。
後半戦、ポイントになるのは豊昇龍と琴桜、そして若隆景と大栄翔あたりか。特に下から力強い攻めを見せる若隆景との一番が最大の注目だ。綱の道は一つのミスが命取りになることを忘れてはいけない。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)