巨人・浅野 森下バットで甲子園初タイムリー!先制V二塁打&ヘッドスライディングで気迫生還
2025年5月22日(木)5時30分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 巨人5—4阪神(2025年5月21日 甲子園)
巨人は21日の阪神戦に5—4で競り勝ち、連敗を2で止めた。「8番・左翼」で出場した浅野翔吾外野手(20)は0—0の4回に今季初の決勝打となる左翼線適時二塁打をマーク。プロ3年目で甲子園初打点を挙げた。三塁走者では好走塁で追加点の生還を果たすなどバットと足で魅せた。高校時代に甲子園で4本塁打を放ったスラッガーが、3試合ぶりのスタメン起用に応えた。
甲子園は浅野に不思議な力を宿してくれる。4回無死一、二塁からビーズリーの132キロスライダーを引っ張り込むと、強烈な打球は左翼線を破る適時二塁打となりプロ3年目で甲子園初打点を記録。15打席ぶりの安打が先制の決勝打にもなり、塁上では手を叩いて誇らしげだ。
「打てなかったら終わりくらいの気持ちで、必死に結果を出そうと思っていきました」
苦しめられてきた巨人キラーバットも力に変えた。試合前には同じ22年ドラフト1位の森下に「昨日(20日)お願いしていて」と懇願してバットをゲット。20日まで巨人投手陣が4試合連続被弾していたライバルの相棒を手に4回の第2打席に最高の結果を残し「明日(22日)以降もあのバットで」と笑った。その後、三塁へ進むと、1死三塁から井上の遊ゴロの間にホームへ突っ込み気迫のヘッドスライディング。一度はアウトの判定も両手を広げてベンチへリプレー検証を要求。セーフに覆ると、真っ黒のユニホーム姿で何度も雄叫びを上げた。
なりふり構わず吸収する姿は開幕前から貫いてきた。3月23日のロッテとのオープン戦前には、同じ右打者でドラフト1位の西川に歩み寄り、打席での考え方やバットの使い方などを聞いた。4月25日に3軍降格後は自然体に構えられるようにとバットを右肩に担ぐ構えに大きく変更。「何か変えないといけないなと。打てなくてもチャレンジしていくことが大事」と、常に進化を求める姿でこの日も結果を残した。
高松商(香川)時代は2度の出場で通算17打数11安打、4本塁打と大暴れした甲子園で躍動した。チームも連敗を2で止め、借金生活突入も阻止。「負けが続いていた阪神に勝ちたい」。甲子園に愛された男が、今季初の伝統の一戦勝ち越しも決める。(村井 樹)
▽浅野と甲子園 高松商(香川)では2、3年夏の2度出場。2年夏は「2番・右翼」で出場し、3回戦の智弁和歌山戦で甲子園初アーチを放つも敗退。3年夏は主将兼1番打者として、佐久長聖(長野)との2回戦で2本塁打をマーク=写真。PL学園・清原和博の持つ通算64本塁打を上回ると、最終的に打率・700、3本塁打、6打点と躍動し8強入りに貢献した。通算17打数11安打、4本塁打、8打点。プロ入り後は昨年8月31日の阪神戦の初回に二塁打を放ち、甲子園初打席初安打。