巨人・山崎伊織の肉体改造、体も意識も変わった…「開幕から36回連続無失点」セ新記録の原動力に

2025年5月21日(水)12時0分 読売新聞

開幕から好投を続ける山崎伊織=片岡航希撮影

[THE GIANTS 2025]

 2月の宮崎キャンプ中、山崎伊織(26)の分厚くなった体を見た杉内投手チーフコーチが目を細めていた。「伊織、尻回りが2センチ大きくなったんだって。オフにちゃんとやってきてくれたんだなあ」。たくましさを増した下半身は、開幕から36回連続無失点のセ・リーグ新記録の礎となった。

 2年連続の10勝を挙げた昨季もまだ「発展途上」の体だった。関係者によると、後半戦のある試合後、山崎の着替え中にそばを通りかかった阿部監督が、プロの投手としては細身の体を見て「これじゃあ、1年もたないわ」と漏らしたという。これを契機に、右腕の肉体改造メニューが作られた。

 オフはその内容に従い、徹底して体をいじめ抜いた。5年前のプロ入り時を知る関係者にとってはその変身ぶりが、感慨深く映る。

 東海大4年で右肘手術を受けた山崎は、プロ1年目に試合で投げられなかった。当時ともにリハビリに励んだ3学年下の堀田賢慎(23)の記憶にあるのは、何とかしてトレーニングを逃れようとする先輩の姿だ。「トレーニングルームに顔だけ出して帰っちゃう日もあった。だから、僕から『一緒にやりましょう』『あと何セットです』とか、声掛けしながらやっていました」

 昨季まで疲れで休む日もあったが、今季は登板間に3度のトレーニングを欠かさないという。新人の頃から成長を見守ってきた神田トレーナーが明かす。

 「(今月上旬の)横浜での試合前も『行きます』と言うので、2人で球場から歩いてジムに行きました。こちらがびっくりするほど、意識が変わりましたね」

 抜群の投球センスを持ちながら、昨季までは後半戦で失速する傾向があった。だから、神田トレーナーは「真価が問われるのはこれから」と言う。疲れがたまる暑い季節を、どう乗り越えるか。山崎も「『4月だけ』と言われないように。シーズンが終わるまで精いっぱい頑張りたい」と自覚は十分にある。投手陣の太い幹となることを、誰もが楽しみにしている。(財津翔)

ヨミドクター 中学受験サポート 読売新聞購読ボタン 読売新聞

「山崎伊織」をもっと詳しく

「山崎伊織」のニュース

「山崎伊織」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ