宇佐美兄弟が格闘技を始めたきっかけは?兄・パトリック「厳しい場に身を置かないと強くなれない」

2025年5月24日(土)12時30分 スポーツニッポン

 総合格闘家の宇佐美正パトリック(25=クレイス)とRISEウェルター級王者の宇佐美秀メイソン(24=team VASILEUS)の“宇佐美兄弟”がスポニチアネックスのインタビューに応じた。2人が格闘技を始めたきっかけや現代の指導論について言及した。

 宇佐美兄弟が格闘技を始めたきっかけは父親の影響だった。宇佐美兄弟の父親は、祖父の影響で始めた日本拳法の有段者で黒帯を取得している実力者だという。パトリックは「小さい時に朝起きてから、自分たちは仮面ライダーとか戦隊モノを見ている時に、父親はUFCからWWEを見るほど格闘技・ボクシングが大好きな人だった」と振り返った。

 そして4〜5歳の時、たまたま空手大会を観に行った際に選手の「形」を見て、格好良いと感じた2人は空手を始めることになった。最初は遊び半分で防具を着けて練習を重ねると、空手を始めて半年から1年で、ある程度成績が出るようになってきたという。そこで父親は「これは間違いなく才能や!」と家族を巻き込んで本腰入れて、2人を指導するようになったようだ。

 そこから2週間に1回試合に臨んでいた中で、一番怖かったのは負けて父親に怒られることだったと明かした。2人とも「負けて悔しくて泣いてるんじゃなくて“このあとお父さんにめっちゃ怒られる…”と思って泣いてました」と笑いながら回想し、当時のエピソードを話し始めた。

 日曜の大会に負けて夜9時ごろに帰宅すると、深夜の1時〜2時までスパルタ練習が続いたようだ。厳しい練習をした上で両目に青たんを作って、小学校に行くと先生たちから空手ではなくDVなど家庭環境に問題があると勘違いされて「お前大丈夫か?」と心配されることも度々あったという。しかし2人は「全然大丈夫です」といつも笑顔で返答していたようだ。

 しかし幼少期の厳しい練習が今の格闘家キャリアに大きく活かされているという。パトリックは「勝負の時に気持ち的に乗り越えられる。でも厳しい場に身を置かないと強くなれない」と現代は甘やかされて育ってる人が多いと言及した。

 「“もっとやらなアカン”という考えになる状況に置かれないと選手は強くならない」と持論を展開した。

 メイソンも「今の時代の指導を見てると、親がいろいろと口を出してくる時代。だからそういうのはやめて、怖い先生の元で怒られながら練習した方が強くなると思う」と共感した。

 最後にパトリックは「でも難しいですよね。褒めて伸びる人もいれば、怒られて成長する人もいるし、人によって違いますからね」とこの話題を締めた。

 ◆宇佐美正パトリック(うさみしょうぱとりっく)2000年(平12年)5月8日生、大阪府出身の25歳。幼少期に父親の影響で空手を始め、高校時代にアマチュアボクシング6冠を達成。その後MMAに転向。22年10月からRIZINに参戦している。前回の試合は、24年大みそかの「雷神番外地」でブレイキングダウンで活躍する細川一颯(フリー)から強烈ボディーで2RKO勝利を飾った。5月31日に開催されるRIZIN初韓国大会「RIZIN WORLD SERIES inKOREA」ではUFCでも活躍した“コリアンゾンビ”ことジョン・チャンソンの推薦選手であるキム・シウォン(韓国)と対戦する。

 ◆宇佐美秀メイソン(うさみひでめいそん)2001年(平13年)5月20日生、大阪府出身の24歳。幼少期に父親の影響で空手を始め、しばらくすると格闘技から離れて15歳から20歳までカナダで過ごす。20歳で日本に戻り、改めて格闘技を始める。22年12月にキックボクシングデビュー。デビュー戦から初代K—1MAX王者のアルバート・クラウスに完勝の内容で判定勝利。24年12月には實方拓海を下して、RISEウェルター級王座を獲得した。これまでキックボクシングでは8戦7勝(4KO)1分。5月31日に開催されるRIZIN初韓国大会「RIZIN WORLD SERIES inKOREA」でRIZIN初参戦する。

スポーツニッポン

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