【リーグワン入れ替え戦】花園が残り3秒でマイボールを失って三重に逆転負け 初戦を落とす
2025年5月24日(土)19時54分 スポーツニッポン
◇NTTジャパンラグビーリーグワン1部/2部入れ替え戦第1戦 花園(2部2位)25—29三重(1部11位)(2025年5月24日 東大阪市花園ラグビー場)
残り3秒で25—22で勝っていた。花園がマイボールのスクラム。ボールをキープしてタッチに蹴り出せば勝てた。しかし、ここでコラプシングのペナルティーを犯す。40分経過のホーンは鳴っていた。三重にタッチキックでゴール前5メートルまで迫られ、ラインアウトからの縦への波状攻撃を食い止めていたが、43分に力尽きて中央に同点トライ、勝ち越しゴールを許して第1戦を落とした。
向井昭吾ヘッドコーチ(63)は「79分まで試合をつくれましたが、最後のところでミスをしてしまった。最後のところディフェンスはフェーズを重ねて頑張ってくれたんですけど。そこが止められるように。次、また幸いにしてもう1試合ありますので、そこにフォーカスしたい」と下を向いてはいなかった。向井HCと一緒に会見に出たゲームキャプテンのSHウィル・ゲニア(37)も「相手に対するリスペクトがない言い方はしたくないが、我々の方が強い。なので、来週は勝ちます」とキッパリ言い切った。
ピッチコンディションは良かったものの、強風に悩まされた。ラインアウトを得てもボールを真っ直ぐ投げられず「ノットストレート」でスクラムにかわる場面が両軍合わせて6回あった。花園のフッカー松田一真(26)は「風は自分たちではどうしようもできないんで。レフェリーも両軍同じように取っていたし、そこまでイライラしたりはしなかった」と振り返る。ただ、変化も感じていた。「前半はこちらの有利にスクラムを組めていましたが、後半のホンダはフッカーに圧をかけてきた。最後のコラプシングもどちらのペナルティーを取るか分からないところだったんで…」と松田は言う。
向井HCは後半24分に松田を含めたフロントロー3枚を同時に交代させた。「信頼しているプレーヤーを出して、そこでペナルティーを取られたというところは私の責任。信頼に揺るぎはない」と選手を責めることはなかった。むしろ「相手のここを突けば…というところも分かった。そこを修正して次に向かいたい」と敵地で勝利しての1部復帰に向けてプランを練り始めていた。
○…先制トライの松田が衝撃の告白!?をした。「トライが僕の名前になっていますが、ボールを押さえたのは宮下なんです。どうしたらいいんですかね」と困り顔だ。No・8宮下大輝(25)は前半26分の接触プレーで脳しんとうを起こして交代。真偽の確認はできなかった。宮下は脳しんとうプログラムによる回復が義務づけられるため、30日のアウェー戦に出場するのは難しい状況。“宮下のトライ”を生かすためにも、30日のアウェー戦を勝って1部昇格を果たす。