【インディ500速報】佐藤琢磨、最多ラップリードもピットトラブルで後退。アレックス・パロウが悲願の初勝利

2025年5月26日(月)5時30分 AUTOSPORT web


 5月25日(日)、アメリカのインディアナポリス・モータースピードウェイで伝統のレース『第109回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)』が行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝を飾った。



 今年は13日(火)から走行が始まり、18日(日)の予選でルーキーのロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)がポールポジションを獲得。日本の佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は自己ベストとなる2番手グリッドを確保した。


 決勝日の天候はくもり。気温は18度で、スタート前に弱い雨が降って1時間弱のディレイとなるが、現地13時25分にペースカー先導でウォームアップランが始まった。


 しかし、スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)が単独スピンでウォールにヒット。早くもリタイアとなり、アンダーイエローで迎えた5周目にグリーンフラッグが振られた。



第109回インディアナポリス500マイルレース 決勝スタート

 ホールショットはシュワルツマン。しかし後方で単独クラッシュが起きて早々にイエローに。10周目のリスタートでは、オワードがトップに立った。追う琢磨も11周目に仕掛けて首位浮上するが、19周目に雨量が増えてイエローが宣言される。


 上位の各車は最初のピット作業へ向かい、ステイアウトしたアレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング)らを先頭に、31周目にレースは再開された。46周目には、ロッシらがピットへ向かって琢磨がリードへ。62周目には2度目のピット作業を済ませ、ここでは首位を守る。


 73周目、ロッシのマシンが突如煙を吐いてピットへ向かい、まさかのリタイア。さらに83周目には、ピットロード内でスピンクラッシュが起きてフルコースコーションが導入され、イエロー中の87周目に各車は3度目のピット作業へ向かった。しかし、琢磨とシュワルツマンが停止位置をオーバーラン。琢磨陣営はタイムをロスしつつも作業をこなして中団に合流し、一方シュワルツマンはウォールにヒットしリタイアとなった。





 92周目のリスタート時には、気温が17度に下がり、コンディションは悪化傾向に。再開時には3台が絡むクラッシュが起きて再度イエローとなる。また106周目にリスタートを迎えたが、中団でスピンが起きたために、ここは不成立となった。


 110周目に再開し、ステイアウト組のデブリン・デフランチェスコ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)らの後ろでピットイン組の争いが激化。コナー・デイリー(フンコス・ホーリンガー・レーシング)、デイビッド・マルーカス(A.J.フォイト・エンタープライゼス)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)らがバトルを展開する。


 121周目にはデフランチェスコがピットへ入り、デイリーが首位へ。134周目には各車4度目のピット作業へ向かい、ピットタイミングを遅らせていたライアン・ハンター-レイ(DRR-キュージック・モータースポーツ)がトップに立つ。さらに140周目にはハンター-レイがオーバーカットを決め、デイリーからリードを奪った。


 170周目ごろには、デイリーがペースをキープし切れずに苦戦しはじめ、マルーカスとパロウがパスすると、ここで各車はラストピットへ。さらに、ここでハンター-レイがコースインに手間取り、惜しくも優勝戦線から脱落してしまう。


 ラストスティントに入ると、パロウは早々にマルーカスをパス。ペースを上げ始めたオワードも背後に迫る。そして175周目には、ハンター-レイと近いスパンでピット戦略をこなしていたマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)がオーバーカットを決め、パロウの目の前に合流し、優勝争いのリードを奪った。


 残り14周、各車がラストスパートのタイミングを見るなか、2番手パロウはエリクソンをパスし、早めに首位を奪い返す。以降、残り10周からはパロウ、エリクソン、マルーカス、オワードらが優勝争いの面々に絞られてきたが、後ろのふたりは仕掛けきれず、パロウとエリクソンの一騎打ちでファイナルラップへ。


 パロウは一気にインを絞り、2台は激しいバトルを演じたが、最終ターンを過ぎたタイミングに、後続のクラッシュによってイエローフラッグが掲示。パロウはそのまま悲願のオーバル初勝利、インディ500初制覇を達成した。琢磨は最多リードラップを経て、11位完走を果たしている。

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