ホンダ、5戦ぶりの決勝ダブルポイント獲得。マリーニ「もっと良い結果を出せた」/第7戦イギリスGP
2025年5月26日(月)16時32分 AUTOSPORT web

5月25日、2025年MotoGP第7戦イギリスGP MotoGPクラスの決勝レースがシルバーストン・サーキットで行われ、ホンダHRCカストロールのジョアン・ミルは10位、ルカ・マリーニは15位でフィニッシュした。また、ワイルドカードで参戦しているホンダHRCテスト・チームのアレイシ・エスパルガロはリタイアで終えている。
朝にかけての降雨の影響で、決勝日午前のウォームアップ走行はウエット路面での走行となった。しかし空は明るくなり、このセッションのうちにレコードラインは乾き、決勝レースが始まるころにはコースすべてがドライコンディションとなった。
20周で争われる決勝レースを、マリーニは8番手、ミルは13番手からスタート。マリーニは抜群の加速と位置どりで5番手まで順位を上げ、ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)と5番手争いを繰り広げた。
また、チームメイトのミルも絶好のスタートを決め、2周目には7番手まで浮上。しかしコース後方での転倒と流出したオイルの影響により赤旗が掲示され、レースは早々に中断された。
コースの安全が確認されると、クイックリスタートの手順で全車コースイン。3周を完了する前の赤旗中断だったため、リスタートは転倒車も含めて最初のスタートと同じオリジナルグリッドに着いて行われ、1周減算の19周のレースが始まった。
2回目のスタートでもミルは見事なスタートを見せ、9番手でオープニングラップを完了。さらに翌周には2台をかわし、7番手に浮上した。
ミルはその後フランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)らと5番手争いを展開。しばらく7番手付近を走行した。
レース終盤、後方に沈んでいたライダーの追い上げによりミルは徐々にポジションを落とし、15周目には11番手まで後退。しかし、さらなる追撃は許さず、最後までそのポジションを守り切って11番手でフィニッシュした。
マリーニは赤旗後のスタートでも先頭集団にくらい付きトップ10圏内を走行。しかし一度は後方に下がったライダーたちが追い上げてきたこともあり、ポジションを徐々に下げていった。
それでもレース終盤までマリーニは力強さを見せつけ、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)やフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)の追撃を許さず8番手でフィニッシュした。
レース後、マリーニを含む4名のライダーに最低タイヤ内圧違反のペナルティが科され、正式結果はマリーニが15位、ミルが10位となった。
ジョアン・ミル(決勝:10位)
「今日は良い面も悪い面もあった一日だった。スタートは2回とも非常に好調で、序盤から力強く走り、ほかのライダーと互角に戦える状態だった」
「ただ、後方グリッドからのスタートだったので、レース終盤にはその影響が出てしまい、リヤのグリップが足りず、前を行くライダーを抜くことも自分のポジションを維持することもできなかった。残り5周はほとんど耐えるだけの時間だった」
「今日の結果は僕たちのパフォーマンスに見合うものではなかったと感じているが、ポイントを獲得できたこと、そして多くのデータをもち帰れたことはポジティブに捉えている。まだ解決すべき課題はあるが、前に進み続けたい」
ルカ・マリーニ(決勝:15位)
「正直に言えば、今日はもっと良い結果を出せたと思う。赤旗前の最初のスタートは素晴らしく、トップ5争いに加わることができていたが、ガレージに戻ってタイヤを交換したところ、同じスペックのリヤタイヤにもかかわらずフィーリングが変わってしまった」
「再スタート後の最初のラップで大きくポジションを落としたが、その後はかなり挽回することができた。レース後にリアタイヤの空気圧に関するペナルティを受けた。先ほども言ったように、リヤのフィーリングがいつもと異なっていた。チームやミシュランのミスではなく、偶然そうなってしまっただけだ。ルールなのでペナルティは受け入れるが、このような形で週末を終えるのは残念だ」
アレイシ・エスパルガロ(決勝:リタイア)
「今日は難しい一日だった。最初のスタートでは軽い転倒をしてしまい、その際にバイクがモルビデリのマシンと接触してしまった。再スタートには参加できたが、バイクとタイヤを交換する必要があった。リヤのフィーリングが合わず、途中でレースを終えることとなった」
「それでも全体としてはポジティブな週末だったと思うし、(ヨハン・)ザルコ、ミル、マリーニの走りを見ていると、とても励みになる。ホンダが前進しているのは明らかであり、さらにその流れを後押しするための取り組みを進めている。今後のために多くのテストを行えたし、こうしたプロジェクトの一員であることを誇りに思う」