阪神・佐藤輝 プロ初左翼で躍動 「先発左翼無安打」の呪縛解く3安打猛打賞
2025年5月26日(月)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神5—1中日(2025年5月25日 バンテリンD)
阪神・佐藤輝が、5年目で初めて左翼守備に就いた。定位置の三塁をヘルナンデスに譲り、「4番・左翼」で先発。慣れないポジションながら、第1、3、5打席に単打を放った。
「(守備位置変更の影響は)特にない」
3日ヤクルト戦以来今季3度目の猛打賞をマークし、通算999塁打。前川の2軍再調整の引き金にもなった「先発左翼の無安打」の呪縛を、7試合20打席でようやく断った。
「(左翼は)難しさもあった。またここから(左翼起用が)あるかもしれないので、しっかり練習して、守れるように頑張る」
初回2死一塁からカリステが放ったライン際の二塁打や、9回先頭のブライトの飛球は難なく処理した。直後、代打・福永の頭上を襲う打球は、懸命に伸ばしたグラブのわずか先を越え、二塁打になった。好守と紙一重の追走に、筒井外野守備兼走塁チーフコーチは「凄く運動神経がいい。アイツだからこそ(捕球直前に体を)逆に切ってしまった」と評価。藤川監督も、右翼を含めた今後の外野起用継続を示唆した。
「レフトもライトもある。森下のレフトもあると思うし、チームが活性化していくためのところ。基盤は必要だが、それが1年間戦っていく上で必要と思えば、大きな決断でもしなければいけない」
ヘルナンデスも7回先頭で左二塁打し、打率・500と好調。2軍で一、三塁しか守ってこなかったとはいえ、新助っ人の迫力ある打棒も捨てがたい。「テル・ヘル」の“共存”ゆえ自分の守備位置が流動化しても、勝利こそ最優先。佐藤輝の信念は揺らがない。 (八木 勇磨)
≪3年ぶり外野守備≫
○…佐藤輝(神)の外野守備は22年10月2日のヤクルト戦以来3年ぶり(同年のCSでも出場あり)。過去の217試合はすべて右翼で、左翼は2軍の公式戦を含めて今回が初めて。ちなみに新人の21年にオープン戦で5試合、オールスターゲームで1試合左翼守備に就いたことがある。