最近12戦未勝利のJ2富山・安達亮新監督が会見「注目選手は得点感覚のある松田力、碓井聖生、武颯」
2025年5月27日(火)17時20分 スポーツ報知
会見で意気込みを語ったJ2富山の安達監督
J2カターレ富山は27日、小田切道治監督(46)の退任を発表し、安達亮監督(55)の就任会見を富山市内で行った。安達監督は神戸、富山、JFL青森の監督などを歴任。今季はJ1横浜Mのアシスタントコーチを務めていたが急きょ、5年ぶりの古巣復帰が決まった。「過去に在籍していたときは、もう少しできたという思いが残っていた。監督のオファーを頂いたときは、非常に嬉しく思いました。まずは残留を確定させたいというのが正直なところ。できれば上方修正し、V字回復を望んでいます」と意気込みを語った。
左伴繁雄社長は監督交代の理由として、最近12試合で6分け6敗と勝ちがない点を大きな問題点として指摘した。「クロスゲームや1点差の負けではあるが、今後のことを考えて結果責任は問うべきだと感じていた。善戦し、チームも崩れていないとはいえ、勝ちなしの連続試合数が、クラブワースト2ということを重くみました」と決断。以前から左伴社長と親交があり、若手選手の指導経験も豊富で、富山の状況もよく知っていた安達氏に監督就任を打診した。
新指揮官に期待されるのは得点力アップだ。リーグ戦16試合で失点は17とリーグ9位の少なさだが、得点数はリーグワースト。左伴社長は「(富山で安達監督が指揮を執っていた)18〜20年のデータを見ると、非常に攻撃的なスタイルで改善が大いに期待できる。若手選手を指導するノウハウを持っていることも、クラブとしては有益」と話す。安達監督は27日午前の練習からチームに合流したばかりだが「僕の中での注目選手は、得点感覚のある松田力、碓井聖生、武颯の3人。彼らにもっと得点パターンを構築させてあげたい」とイメージを膨らませる。
会見では多くの質問が飛び交ったが、笑顔を浮かべながら率直に答えた。左伴社長も「ぶっちゃけキャラで裏表のない男。私にも選手にも嘘偽りなく、お付き合いをしていけると思っています」と信頼を寄せる。成績低迷のチームにシーズン途中から就任することの不安を聞かれると「この仕事は自信がないとやってはいけないし、引き受けてはいけない。自信のないリーダーには誰もついていかない」と断言。チームへの初合流時には「全く遠慮することなく、10年くらい監督をやっているような態度で臨みました」と振り返った。
今季は順調に収益も伸びており、今後は新監督、強化担当と話し合いながら選手補強も検討する方向だ。「このクラブは、とてつもなく伸びしろを持っている。まだまだお客さんを増やすこともできるし、クラブの規模を大きくし、選手の力を伸ばしてカテゴリーアップも出来る。自分の力で引き上げたい」。チームを立て直し、さらなるステップアップを目指す。(中田 康博)