GRスープラに鞍替え。ホモロゲ登録WAUのエースが残留表明で6台中3台が確定/RSC

2025年5月27日(火)18時10分 AUTOSPORT web


 シリーズの盟主に君臨する名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)の、来季フォード陣営スイッチに端を発し、弱体化を危惧するGMシボレー陣営がスタードライバーの獲得ラッシュを狙うなか、来季2026年のRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ新規参入に向け全6台の『A90型GRスープラ・スーパーカー』を投入するトヨタ・ガズー・レーシング・オーストラリア(TGRA)が、その半数となる3台のドライバー陣容を実質的に確定させた。


 ホモロゲーションチームに指名されているウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)のエース、チャズ・モスタートがチーム残留を公言し、僚友のライアン・ウッドとともにTGRAの将来を担うことが明らかになったのだ。



 昨年のファン投票でRSC最優秀ドライバー賞を受賞している33歳のモスタートは、2026年の契約を延長してチームに残留し、TGR陣営の一翼を担うと同時にA90型GRスープラ・スーパーカーの開発作業を主導する役割を担うこととなった。


「来年の契約は済んでいるので、どうなるか見てみよう」と最新の公式ポッドキャスト『Drivers Only』にて語り、これでチームとともにフォード陣営からTGR陣営への移籍を公言したモスタート。


「ウォーキンショーは、これまでスポンサーやメーカーとの関係において、つねに深い敬意を払ってきたと感じている。だからこそ、2026年からスープラでレースに参戦する前に、2025年にはフォードのためにやるべき仕事がある。フォードへの敬意を表するうえで、今年もその仕事を確実に遂行し、来年の計画だけに集中するのではなく、しっかりと取り組むことが重要なんだ」と彼は語った。


 その一方、現時点で来季2026年はGMシボレー陣営の新たなホモロゲーションチームに指定されたチーム18を筆頭に、エレバス・モータースポーツ、マット・ストーン・レーシング(MSR)、そしてプレミアエア・レーシングが『シボレー・カマロZL1』を走らせる公算となり、同時にGMシボレーとしてはシリーズ3冠、そして“聖典”バサースト1000で7勝を誇るレジェンド、クレイグ・ラウンズの「2026年ワイルドカード起用」を示唆するなど、陣容強化に取り組む姿勢を鮮明にしている。


「ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのリソースは、非常に恵まれている。僕らは優れた設計ノウハウと経験を持つ優秀な人材を抱えており、来季のプロジェクトに真剣に取り組んでいる」と続けたモスタート。


「同時にエンジニアたちが、今季のフォードのパフォーマンス向上のためのセットアップ作業を主導している。その点で、僕たちはリソースを少し分散させているのも確かだね」



ホモロゲーションチームに指名されているウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのエース、チャズ・モスタートがチーム残留を公言


「2026年からスープラでレースに参戦する前に、2025年にはフォードのためにやるべき仕事がある」とチャズ・モスタート

 そのモスタートは長年フォードでキャリアを築いたのちに、当時ホールデン・レーシング・チーム(HRT)として陣営の開発チームを担った経験を持つWAUに移籍加入。その際、スーパーカーで自身初のメーカー移籍への(否定的な意見も含む)反響が予想されたことで、フォードからホールデンと渡り歩き、そうした懸念を経験するラウンズに連絡を取った過去も明らかにした。


「そう、フォードからホールデンに移籍するという初めての経験に不安を感じていた。だから彼に連絡を取ったんだ。『彼は前にも同じような経験をしたことがある』と思ったからね」とモスタート。


 その言葉どおり、2001年にホールデンからフォード、そして2010年にはふたたび出戻るなど、幾度ものメーカー間移籍はファンから熱烈な反応を引き起こし、その多くは限度を超え、ラウンズは激しい非難を浴びた。


「彼はまさにそのとおりのことを言っていた。『あなたを応援し、彼らが応援しているメーカーを本当に大切に思っているファンの50%を失うことになるだろう』と。ただし『残りの50%は他のドライバーを見つける。だから気にせず、自分を支えてくれた人に感謝するように』とね。彼はそういう面で本当に優れていたんだ」


 そのWAUもまた、チームとして2023年にはアンドレッティ・ユナイテッドとの提携やアンドレッティ・グローバルの資本参入などを受けてフォードに鞍替えするなど激動の時期を過ごしているが、過去3シーズンで2度目のブランド変更となる来季に向け、モスタートもその影響を指摘する。


「チームがメーカーを変えることは、とくにウォーキンショーにとっては、さらに大きな影響があると思う。チームにとって……ファンベースの視点では、より厳しいものだっただろうしね。でもトヨタ転向の反応については中間くらい(の反響)だと思う。人々は、もうひとつの強力なメーカーの参入に興奮しているし、うまくいけばシリーズの盛り上がりはさらに上昇するだろうしね」


 これでWAUの2台と、先日アナウンスされた4台体制を敷くブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)のうち、アンドレ・ハイムガートナーの複数年契約だけが確定しており、残りの3名のシートがまだ未確定となっている。



今回はGMシボレーに“忠義”を尽くしたカタチのクレイグ・ラウンズ


2018年当時、クレイグ・ラウンズ(右)と談笑するチャズ・モスタート。今後はA90型GRスープラ・スーパーカーの開発作業を主導する

AUTOSPORT web

「スープラ」をもっと詳しく

「スープラ」のニュース

「スープラ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ