【日本ダービー】ショウヘイ 快勝前走は当日に大谷翔平が豪快弾 友道調教師「今度も打って」
2025年5月28日(水)6時0分 スポーツ報知
友道調教師が期待を込めて送り出すショウヘイ(カメラ・高橋 由二)
◆第92回日本ダービー・G1(6月1日、東京競馬場・芝2400メートル)
歴史に名を刻む「SHO TIME」にする。3歳馬の頂点を決める第92回日本ダービー・G1(6月1日、東京)に、ドジャース・大谷翔平を想起させる馬名を持つショウヘイが出走する。京都新聞杯で初タイトルを獲得。先週のオークスを制した厩舎の勢いにも乗り、世代の勢力図を一気に塗り替える豪快な“逆転ホームラン”を放つ。
馬名の響きが大仕事への高揚感をかき立てる。ショウヘイが競馬の祭典に参戦する。現役単独最多の3勝を誇る友道調教師と、全国リーディングに7度輝いたルメールによる黄金ライン。1週前追い切りに騎乗した名手は「ポテンシャルは高いと思います。ダービーを勝って、ショウヘイオオタニとショウヘイのミーティングをしないといけません」と笑顔で“本家”との対面まで思い描いた。
持ってる馬だ。今年の友道厩舎は皐月賞どころか、トライアルにも出走馬なし。名門の異常事態だった。友道師はショウヘイがきさらぎ賞で4着に敗れた後、春シーズンの全休も頭をよぎったというが、間隔を空けた京都新聞杯での一発勝負を決断。日程的に最終切符が懸かる一戦で、2馬身半差の圧勝劇を演じた。「ダービーを考えると本当に『よかったな』でしたね。何より馬にとって一度しかない舞台。馬主さんにとっても特別なレースですから」と重みを知る指揮官は振り返る。
海の向こうから“追い風”が欲しい。熱心な野球ファンではない友道師も、午前の調教後にメジャーリーグの試合はよく見るという。京都新聞杯の朝は、大谷が試合を決める3ランを放っていた。「いま一番見ている野球選手ですよね。できれば、今度もホームランを打ってほしい」とレース当日の快音に期待する。
トレーナーの言葉は続く。「背番号の17番枠はダービーではちょっとね…。枠順はできれば、(ドジャースの)白と青がいいかな」。18年に17番枠のワグネリアンで勝っているとはいえ、内枠有利の舞台。白帽(1枠)か青帽(4枠)の方がVへのイメージが鮮明になるようだ。さらに、最近のG1デーに毎回着るのが濃紺のスーツに白のカッター。偶然にも、ドジャースカラーと通じるものがある。
先週のオークスを桜花賞不出走のカムニャックで勝利。ショウヘイと同じように1冠目に間に合わなかった素質馬を焦らずに立て直した。「やっぱり、競馬でもショータイムになってほしいですね」と友道師。今週はショウヘイが既存勢力を打ち砕く“逆転弾”をかっ飛ばす。(山本 武志)
◆大谷翔平を連想させるJRA現役馬
▽オオタニサーン 美浦・堀厩舎所属の牡4歳。通算6戦1勝。3戦目の初V時には場内実況アナがMLBの現地中継さながらの発音で「オオタニサーン」とノリノリで連呼した。
▽デコピン 美浦・村田厩舎所属の牡3歳。通算4戦0勝。大谷の愛犬と同名だが、JRAホームページによると、馬名の由来は「相手の額を中指で強くはじくこと」。
◆日本の人名が由来とされるJRA重賞勝ち馬 冠名、敬称なしの馬名に限ると84年のグレード制導入以降では、ジュサブロー(86年オールカマー)、サヤカ(99年フラワーC)、シンゲン(09年新潟大賞典、09年エプソムC、10年オールカマー)、シュウジ(15年小倉2歳S、16年阪神C)、キョウヘイ(17年シンザン記念)、カツジ(18年ニュージランドT、20年スワンS)などがいる。
◆友道調教師が挑む記録 勝てば現役単独最多を更新する日本ダービー4勝目(歴代最多は尾形藤吉元調教師の8勝)。JRA・G124勝も池江泰寿調教師を抜いて現役単独トップに立つ。同一年のオークス&ダービー制覇なら史上6例目の快挙。