阪神・森下で今季初サヨナラ「勝った瞬間は喜びを爆発」 四球選んで両リーグ最多勝利打点「8」
2025年5月28日(水)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神1—0DeNA(2025年5月27日 倉敷)
阪神が27日のDeNA戦で、延長11回の末に1—0で今季初のサヨナラ勝ち。負ければ首位陥落だった一戦を制し、貯金を今季最多タイの7とした。森下翔太外野手(24)は11回無死満塁のフルカウントから押し出し四球。勝利打点は両リーグトップを更新する「8」となった。2年ぶりの左翼守備も無難にこなして、攻守で勝利に貢献。頼れる背番号1が、猛虎の進撃を支えている。
やはり、森下は勝ち運を持っている。0—0の延長11回無死満塁。フルカウントからの8球目、颯の直球は外角へ大きくそれた。その瞬間、バットを一塁側に放り投げて大喜び。歓喜のウオーターシャワーの中心で満面の笑みがはじけた。
「その前に来たボールを捉えられれば良かったんですけど、捉えられなかった。外野フライでも1点が入るケースなので、そういう気持ちでいきました」
押し出し四球を選ぶまでの間に4球をファウルにした。そのうちの1球は一塁ファウルゾーンへ。一塁・オースティンが取り損ねる幸運も重なり、最後は選球眼と威圧感で四球をもぎとった。3打数無安打に終わったが、勝利打点は8。両リーグトップを更新した。
「(チームに)迷惑をかけてましたし、糸原さんも含め、チーム全体となって勝つために頑張ってきた。勝った瞬間は喜びを爆発させました」
今年のシーズン開幕を直前に控えた3月中旬。中軸として他球団のマークがより厳しくなることを想定していた。「今年、チャンスで回ってきたら僕の前でピッチャーが代わることが多いと思う。そこで打たないと成績は上がらない」。22日の巨人戦では2—2の8回無死満塁で、4打席目を迎える直前に投手が石川から田中暎に交代。三ゴロ併殺打に倒れると、試合も延長戦で敗れた。この夜も、直前で颯に交代。同じような状況で奪った決勝点は、今後につながる1打席になったに違いない。
負ければ首位陥落となる一戦で、藤川監督に就任後初のサヨナラ勝利をプレゼントした。指揮官は言う。
「ベンチでも選手同士でも、リリーフ陣が頑張っている間にというところがあった。ひとつになれてゲームが行えている証拠。スクランブルで一つのゲームに臨んでますから、それが最後こちら側に運が向いたと、そういう結果だと思います」
年に1度の倉敷開催での一戦は花火も打ち上がり、2年ぶりの左翼も無難にこなした。「甲子園に戻ってみてレフトを守る機会があれば、最大限のプレーができるように準備したい」。背番号1が存在感を示せば、猛虎の勝利はグッと近づく。(石崎 祥平)
○…森下(神)の勝利打点は今季8度目で、両リーグ最多を更新。この日を含め半分の4度が才木の先発登板試合だ。サヨナラ決着の勝利打点は、24年7月28日の中日戦(単打)以来、通算4度目。
○…阪神は今季初のサヨナラ勝ち。押し出しによる1—0サヨナラは、15年3月28日の中日戦で延長10回に関本賢太郎が死球をもらって以来。押し出し四球に限ると、1996年8月29日の中日戦で延長10回の長嶋清幸以来、球団29年ぶり。