ニッサンのエースついに復活か。MOTUL AUTECH Zが今季初ポールで復活の狼煙【第5戦GT500予選レポート】

2022年8月27日(土)18時50分 AUTOSPORT web

 シーズンも折り返しを迎えた2022年のスーパーGT第5戦、鈴鹿サーキットでのGT500クラス公式予選は、23号車MOTUL AUTECH Zのロニー・クインタレッリが、シーズン序盤戦の雪辱を期す今季初ポールポジションを獲得。ミシュランタイヤとクインタレッリにとって2019年以来となる予選最前列を奪取し、ニッサン陣営の鈴鹿“連覇”記録を作り上げた立役者が、逆襲の最上位グリッドを手にしてみせた。


 富士での第4戦に続き今季3度目、そして鈴鹿では初開催の450km戦を迎えた週末は、長期予報こそ悪天候が予想されていたものの、会期が近づくにつれて好転。土曜予選日も夏休み最後の週末らしい暑さのなかで行われた。


 タイムスケジュールどおり午前9時25分から開始された公式練習では、気温30度、路面温度34度のコンディションで、各車とも大きなトラブルなく周回を重ねると、10分間のクラス専有走行を前にGT300起因の赤旗ディレイこそあったものの、午後の予選に向け無事にアタックシミュレーションを敢行。


 昨季までの鈴鹿予選で“猛威を振るった”ダンロップタイヤが速さを見せ、16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがトップタイムを記録し、2番手にミシュラン装着の23号車MOTUL AUTECH Z、そして3番手にブリヂストンの17号車Astemo NSX-GTと、各タイヤ銘柄がトップ3を分け合う結果に。


 その背後には、第3戦のここ鈴鹿を制した3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが、燃料流量リストリクターの1ランクダウン領域に入りながらも続く健闘を見せ、5番手以降には4連続ポールポジション獲得記録を狙う19号車WedsSport ADVAN GR Supraと、24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zのヨコハマタイヤ装着車が並ぶなど、午後の混戦を予感させる結果となった。


■Q1 練習走行トップの16号車が首位。8番手の攻防はチェッカーラップで目まぐるしくポジション変動


 予定より約20分遅れで開始された公式予選は、15時20分時点で気温はほぼ横ばいの31度ながら、路面温度は39度まで上昇。それでもこの時期としては低めの条件となり、湿度は65%と蒸し暑さだけは感じる気候に。


 いつもどおりGT300クラスの組み分けQ1を経て15時53分にコースオープンになると、16号車Red Bull MOTUL MUGENの大湯都史樹が真っ先にトラックインしていく。さらに2分を経過し、19号車WedsSport ADVAN阪口晴南が全15台のほぼ真ん中でピットを後にし、ニッサン陣営の4台は8号車ARTA NSX-GTとともに最後のパックでコースへと向かう。


 セッションは残り3分を切り、隊列の先頭でウォームアップを進めていたホンダNSX-GTのうち、17号車Astemo NSX-GTの塚越広大がまずは1分45秒735のターゲットタイムを刻むと、すぐさま38号車ZENT CERUMO GR Supra石浦宏明がタイムを更新。背後には37号車KeePer TOM’S GR Supra宮田莉朋、36号車au TOM’S GR Supra坪井翔とトヨタ勢が続いていく。


 しかし先頭走者ながら、自身計測5周目に満を持してアタックラップを開始したRed Bull MOTUL MUGENの大湯が1分45秒219までタイムを詰め、ここでまたしても首位が入れ替わる。ときを同じくして、ピットでのウエイティング組だった19号車WedsSport ADVAN阪口、23号車MOTUL AUTECH松田次生が、ともに計測4周目でトップ3へ飛び込んでくる。


 一方、その背後で8番手カットライン線上の攻防が激化し、チェッカーラップで目まぐるしくポジションが変動。最後のアタックで7番手、8番手タイムを記録していた8号車ARTA福住仁嶺や、3号車CRAFTSPORTS MOTULの千代勝正らがバンプアウトされてしまうことに。最終的に4番手以下、38号車ZENT CERUMO GR Supra、17号車Astemo、24号車リアライズ、100号車STANLEY NSX-GT、そして最後の最後で8番手に滑り込んだ39号車DENSO KOBELCO SARD GR SupraがQ2進出となった。

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)


■Q2 ニッサンのエース23号車が快心のラストアタックで今季初ポール獲得


 GT300のQ2を挟み16時31分開始となったQ2は、各車がピットレーンで待機する幕開けのなか、1分経過で39号車DENSO KOBELCO SARD中山雄一を先頭に、17号車Astemo松下信治、16号車Red Bull MOTUL MUGEN笹原右京らが続いていく。


 3分経過を前に間隔を取りながら23号車MOTUL AUTECHのクインタレッリや、キャリア通算25回目のポールを狙う38号車ZENT CERUMO立川祐路もコースへ。その一方で、ヨコハマタイヤを装着する2台は19号車国本雄資、24号車平手晃平は残り6分で最後にピットを後にし、ともに逆転の1アタックに賭ける。


 するとまたしても先行するNSX-GT同士がセクターベストでアタックラップを進め、17号車Astemo松下が1分45秒349でトップに立ち、コース前半はそれを上回るペースで来ていた16号車Red Bull笹原も、セクター3でわずかにロスを喫しながら1分45秒442でホンダの1-2体制を構築する。


 そして他陣営と異なる動きを見せたヨコハマ勢は、19号車国本が暫定3番手タイムで連続ポール獲得記録更新はならず。24号車平手も4番手に留まり、NSX-GTの前に出ることができない。


 すると車列中段のクリーンな環境で虎視眈々とタイヤの発動を待ち続けた23号車クインタレッリが、セクターベストこそないものの、17号車に対しわずか0.180秒差となる1分45秒169を記録し、快心のラストアタックでポールポジションを奪取。これによりミシュラン、ブリヂストン、ダンロップ、そしてヨコハマが2台と、各タイヤ銘柄がそれぞれトップ5にクルマを送り込む、マルチメイク・カテゴリーの醍醐味を感じさせる予選結果に。


 明日の決勝に向けても晴れ予報が続くだけに、鈴鹿での450km戦略策定をどう測るか。前戦富士と同様、各タイヤライフ、そして気候と路面のマッチングが勝負の行方に大きく影響を及ぼしそうだ。

2022スーパーGT第5戦鈴鹿 ロニー・クインタレッリのポール獲得を喜ぶ松田次生(MOTUL AUTECH Z)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 GT500クラスのポールポジションを獲得した松田次生とロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH Z)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 GT500クラスのポールポジションを獲得した松田次生/中島健監督/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH Z)
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)

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