「MVP争い」日米報道に温度差ありすぎ…なぜプロ野球では話題にもならない?

2022年9月10日(土)17時0分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 大谷かジャッジか。メジャーでは連日のように、ア・リーグMVP争いの報道が過熱している。プロ野球はどうか? MVPの話題に、まったくといっていいほど触れられていない。なぜだろうか。

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 メジャーでは、ライバル同士がハイレベルで競い合っている。 投打で唯一無二の結果を残すエンゼルスの二刀流と、 記録的ペースで本塁打を量産するヤンキースの主砲。勝負ごとが好きな米メディアはシーズン中盤から話題として取り上げ、佳境を迎えてさらに注目度が増している。

 プロ野球では、セ・リーグMVPは一択。ヤクルトの若きスラッガー村上宗隆(22) が史上最年少で50本塁打を放ち、チームも首位を独走。MVP選出は確実で、ファンの関心は3冠王なるかどうかに集まっている。

 パ・リーグMVP争いは拮抗している。個人記録でいえば、投手タイトルで複数部門トップのオリックス山本由伸や、本塁打と打点で2冠につける西武山川穂高らが候補。だがMVPの話題には不思議とならない。

 日米の違いは「チーム成績」にある。プロ野球ではほとんどの場合、優勝チームからMVPが選出される。優勝にもっとも貢献した選手が選ばれる傾向が強い。今年のパ・リーグV争いは大混戦で、 シーズン最終盤までもつれるのは必至。 優勝が決まらないことには、MVPも決められない。

 プロ野球で優勝チーム以外からMVPに選ばれるには、個人で突出した好成績を残さないといけない。2000年以降で、優勝チーム以外からの選出は5人だけだ。

◆04年 松中信彦【ダイエー=2位】
→平成唯一の3冠王(44本塁打、120打点、打率.358)

◆05年 杉内俊哉【ソフトバンク=2位】
→最多勝(18勝)、最優秀防御率(2.11)

◆08年 岩隈久志【楽天=5位】
→最多勝(21勝)、最優秀防御率(1.87)、最高勝率(.840)

◆13年 バレンティン【ヤクルト=6位】
→シーズン最多60本塁打のプロ野球新記録

◆14年 金子千尋【オリックス=2位】
→最多勝(16勝)、最優秀防御率(1.98)

 対するメジャーでは、MVPにチーム成績が考慮されない。実際、昨年満票でMVPに選ばれた大谷のエンゼルスは地区4位で、ゲレロ(ブルージェイズ)ら他候補も優勝できなかったチームの選手ばかり。勝利への貢献度を示す指標「WAR」の数値が重視され、チーム成績は二の次だ。

 純粋に個人成績を視点にするメジャーと、優勝ありきのプロ野球。例外を除き、優勝チームにMVPの権利が発生する日本では、シーズン途中でMVP争いの話題にはならない。

 同じMVPでも、その特徴は日米で大きな違いがある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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