F1アメリカGPリザルトは変更されず。ハースの再審請求は棄却、ライバル3チームの違反に関する適格な証拠なし

2023年11月10日(金)7時27分 AUTOSPORT web

 ハースF1チームが、2023年F1第19戦アメリカGP決勝でのトラックリミット違反への裁定と決勝リザルトに関して、再審査請求の権利の請願を行ったため、スチュワードがヒアリングを実施、その結果、ハースの請願を棄却することを決定した。


 ハースが3日、アメリカGPのドキュメント59(ターン6でのウイリアムズのアレクサンダー・アルボンのトラックリミット違反の疑いについて審査した結果、証拠不十分でペナルティを科さないと決定)と、ドキュメント66(決勝最終リザルト)に関して、再審査請求の権利の請願を行ったと、FIAは6日に発表した。


 スチュワードが再審査を行うための条件は、ハースがその時点で利用できなかった重要かつ関連性がある新しい証拠を提出することである。そのため、8日のヒアリング第一部では、ハースが提出した証拠が条件を満たすものであるかどうかの調査が行われた。スチュワードは証拠を受け入れるかどうかの調査を独自に行うため、ヒアリングをいったん中止し、翌日に続きを実施することを決めた。


 ヒアリングには、FIAが招集したハース、ウイリアムズ、レッドブル、アストンマーティンに加え、フェラーリとマクラーレンが許可を得て出席した。


 ハースの主張は、アメリカGP決勝中に、複数のマシンが何度もトラックリミット違反を犯しながら、ペナルティを受けなかったため、これについて見直しを行うべきであるというものだ。


 ハースは、アルボン、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ランス・ストロール(アストンマーティン)がターン6のエイペックスでコースを外れた疑いを示す車載映像、アルボンのコースオフの疑いを示す後続車の車載映像を証拠として提出した。

2023年F1第19戦アメリカGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
2023年F1第19戦アメリカGP ランス・ストロール(アストンマーティン)


 また、ハースの提出書類には、アメリカGPの次戦メキシコGPを前に行われたチームマネージャー会議において、FIA F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒとFIAシングルシータースポーティングディレクターのニコラス・トンバジスが、ターン6でのトラックリミット監視は理想的ではなかったと示す発言を何度かしていたとされることについても触れられていた。


 スチュワードはこれらの証拠に関し、「当該決定の時点で、見直しを求める当事者(ハース)が入手できなかった、重要かつ関連性のある新しい要素が発見されたかどうか」、すべての要件において審査した。その結果、アルボンとその後続車、サージェント、ペレス、ストロールの車載映像はすべて、新しい証拠ではなく、当時ハースが入手可能なものであり、関連性もないとの判断が下された。重要性についてはアルボンと後続車の車載映像のみ認められたものの、スチュワードは「当該決定の時点で、ハースが入手できなかった、重要かつ関連性のある新しい要素」はなかったと結論付け、再審査請求の権利の請願を棄却した。

2023年F1ハンガリーGP ハースF1チームのホーターホーム


 一方でスチュワードは、ターン6でのトラックリミット監視のシステムには問題点があると認め、解決策を講じるよう、関係者に対して求めた。


 アルボンのターン6でのトラックリミット違反の疑いについて調査し、ペナルティなしと判断した際に、スチュワードは、違反の疑いはあるものの、十分な証拠がないと述べていた。ハースが問題視したアメリカGPのドキュメント59には、次のように記されていた。


「スチュワードは車内ビデオの証拠を調査した。入手可能なビデオ映像(CCTVは含まれない)に基づき、トラックリミット違反の可能性を示すいくつかの兆候がある可能性があるものの、入手した証拠は、違反が発生したと正確かつ一貫性を持って結論付けるには十分ではないと判断した。したがって、これ以上の行動はとらない」

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