FIA、レッドブルがパルクフェルメで車高調整装置を使用した証拠はないと明言。代表も疑いを一蹴/F1アメリカGP
2024年10月23日(水)12時36分 AUTOSPORT web
レッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表は、物議を醸しているフロントビブの車高調整装置がレッドブルのマシンに搭載されていることに関して、チームの不正行為の疑いを否定し、ライバルチームの“被害妄想”が議論を誘発したと主張した。
レッドブルは、オースティンでのF1第19戦アメリカGPを前に、車高調整装置が特にパルクフェルメ状態で悪用される可能性の有無についてFIAが懸念を表明したことを認めた。それはF1のテクニカルレギュレーションの明らかな違反となる。この問題は先月の第18戦シンガポールGPで発覚し、このシステムの存在を知らされた各F1チームは、FIAにその合法性について問い合わせた。
オースティンでFIAは管理と手順を強化したが、レッドブルがパルクフェルメのどの時点でもこの装置を使用したという証拠はないと明言した。またチーム側も、マシンが完全に組み立てられ走行可能な状態であれば、この装置にはアクセスできないと主張している。
ホーナーは金曜日に初めてチームの論争について言及し、予選とレースの間に不正行為やフロントビブデバイスの不正使用を試みたことを断固として否定した。
「それは3年以上あると思う」とホーナーは『Sky Sports』に語った。
「それに到達するには、ペダルやその他のパネル、パイプを取り外す必要がある。その部品にアクセスするよりも、リヤのロールバーを調整する方が簡単だ」
ホーナーは、チームがこの装置についてFIAに透明性を保ってきたことを認めた。また、この装置はFIAのサーバー上で全チームがオンラインで利用できる、完全に調整可能なオープンソースコンポーネントのリストに入っていることを強調した。
「それは実際にシンガポールでFIAと話した内容だ。彼らはそれを見て、とても満足している」
「このマシンには、完全に調整可能な部品が600アイテムほどある。誰もがこれらのアイテムを調整できる。できないことは、パルクフェルメ中に調整することだ」
「ペダルを取り外すよりも、フロアステーやロールバー、プッシュロッドの長さを調整する方が簡単だろう」
「我々はマシンを監視するカメラを設置している。マシンを監視する検査官と立会人がいる。我々のマシンは過去3年間、ピットレーンの他のどのマシンよりも厳しく監視されてきたので、何の心配もしていない」
FIAはまた、金曜日にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のマシンのシステムの検査も実施したが、これにはライバルたちの懸念を和らげる狙いがあったようだ。フットウェルの調整装置にシールが取り付けられたが、ホーナーは冷静であり、この騒動は注意をそらすための戦術だと一蹴した。
「ライバルのひとりからちょっとした不満の声が上がっている」
「こうしたことを調査するのはFIAの仕事で、彼らはその調査を望んでいた」
「FIAはこれに満足している。おそらく、パドックの他の場所にいる被害妄想に陥った人々を満足させるためだけのことだと思う」
「時には、自分の家のなかで起きていることから人目をそらすために、どこか別の場所に火を付けようとするものだ」
調査の最前線に立ってきたFIAシングルシーター担当ディレクターのニコラス・トンバジスは、レッドブルの立場を支持し、この議論を重視しなかった。
「これがこれからの話ではないのは確かだ」とトンバジスは語り、競争の激しい選手権ではチームが疑念を抱くことがよくあることを認めたが、この件は解決済みであると改めて強調した。
「現状では、これは大した話ではないと我々は考えている」
アメリカGPの週末が進むなか、レッドブルは議論に動じていなかったように見える。自社のマシンの合法性に自信を持ち、懸念はパドックのうわさ話に過ぎないと一蹴している。
投稿 FIA、レッドブルがパルクフェルメで車高調整装置を使用した証拠はないと明言。代表も疑いを一蹴/F1アメリカGPは autosport webに最初に表示されました。