おしゃれで美味しい「だけ」じゃない 愛媛の柑橘カクテル試飲会、背景にあった「復興」への熱い思い

2019年2月7日(木)18時30分 Jタウンネット


みかんといえば、コタツの中で......、というのも、けっして悪くはないけれど、最先端のおしゃれなバーで、柑橘類の微妙に異なる繊細な香りと深みのある味わいを満喫する、というのもいいかもしれない。


2019年2月5日、東京都千代田区のあるバーで、カクテル試飲会が開催された。このカクテルというのが、いよかん、ポンカン、せとか、河内晩柑、レモンなど、愛媛産の柑橘類10 種を使用した、ユニークなカクテルばかり。いったいどんな試飲会?


コーヒー×柑橘類の斬新な味わい


カクテルを披露したのは、新進気鋭のバーテンダー、高宮裕輔氏だ。試飲会の会場は、2018 年、高宮氏が四谷に開店した「ティグラート」である。この日、彼が発表した創作カクテルは次の2品だった。


まず、「文旦のピールと媛レモンと鰹節のカクテル」。


これは削りたての鰹節とウォッカを合わせてフランベしたベースに、オレンジとレモンを合わせたような品種「媛レモン」の果汁を加えたもの。文旦(ぶんたん)の皮(ピール)を合わせてさらに香り高くし、仕上げに、爽やかな香り漂うレモンの葉を添えた。


もう一つは、「いよかんのエスプレッソマティーニ」だ。


エスプレッソにしてもクリーンな酸味が広がるコスタリカ産のコーヒー「ラリアドラゴン」を使用。これにいよかんの果汁を加えることで、甘味とジューシー感、爽やかさが広がる一杯となっている。


また、ワールドバリスタチャンピオンシップ国際審査員を務める、コーヒー業界の老舗・ボンタイン珈琲の本社社長・加藤慶人氏も、コーヒーをベースとした2品を披露した。


一つ目は、ノンアルコールの「媛レモンのエスプレッソ」。ピールからは山椒のような香りも感じられるという媛レモンのスライスに、エスプレッソコーヒーを回しかけた。


もう一つは、「いよかんとコーヒーとウイスキーのカクテル」だ。スコッチウイスキーのグレーンモーレンジ、ケニア産コーヒーのエスプレッソ、いよかんの果肉を圧搾したものを、すべて同じ割合で混ぜる。


エスプレッソにはグラニュー糖を加えて煮詰めたシロップを少々加え、甘味を調整。アクセントとしておろし生姜を加えるのもアリだという。こちらは、アルコール入りである。


実は、このカクテル試飲会は「愛媛柑橘応援プロジェクト」の一環だ。2018年、豪雨によって約534 ヘクタールのみかん畑が大きな被害を受けた、南予地域の吉田町の柑橘生産農家を支援しようというもの。同地域のNPO 法人「柑橘ソムリエ愛媛」が中心となって推進している。


コタツでみかんも良いけれど、バーでみかんはもっと良いかも......。愛媛産柑橘類の爽やかな熱気は、試飲会に集まった人々に確実に広がっていった。

Jタウンネット

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