和田秀樹「いわゆる『脳トレ』は脳全体の機能向上に効果がないことがわかっており…」最も認知症を予防できる<行動>とは?
2025年2月10日(月)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
「『日々、ためす、楽しむ』。これこそが、若々しさの秘訣です」そう語るのは、著者累計1000万部を超えるベストセラー作家であり、長年高齢者医療の現場に携わる精神科医・和田秀樹先生。そんな和田先生の著書『60歳からはわたしらしく若返る: 一生、元気に美しく年を重ねられる365のヒント』から一部引用・再編集し、「脳・心・体に自信を持ち続けるために取り入れたいこと」を、当連載にてご提案します。今回のテーマは「脳を使うことで認知症の進行は防げる」です。
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知っておきたい認知症のこと
脳を使うことで認知症の進行は防げる
アルツハイマー型の認知症は、遺伝的要因がかなり大きいようですが、頭を使わない人ほど、認知症になりやすいのは確かなことです。
日ごろから頭を使っている人のほうが認知機能テストの点数が高い傾向も認められています。
「頭を使う」ために効果的なのは、他人との会話です。
会話は、相手の言ったことを理解し、瞬時に反応を返すという非常に高度な知的作業。強制的に頭がフル回転するのです。
一番の認知症予防とは
そして、何よりも、楽しいことをするのが一番の認知症予防です。
楽しいことをやればやるほど、脳にいい刺激が伝わります。
歌う、ダンスをする、絵を描く、美味しいものを食べる、映画を観る。
周りの人に何を言われようと、楽しいことは何歳になっても続けてください。
脳トレの効果
そして、日々の暮らしの中にも自分なりの小さな楽しみをたくさん見つけてください。それこそが、認知症の最大の予防になります。
ちなみに、いわゆる「脳トレ」は、脳全体の機能の向上に効果がないことがわかっています。
(写真提供:Photo AC)
脳トレが楽しい! という人には効果があるかもしれませんが、つまらないけれどやっているなら、他の楽しみにチェンジするといいでしょう。
※本稿は、『60歳からはわたしらしく若返る:一生、元気に美しく年を重ねられる365のヒント』(日本文芸社)の一部を再編集したものです。
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