「備蓄米 待ってはくれぬ 食べ盛り」主婦・主夫が詠んだ生活実態とは
2025年4月2日(水)14時59分 マイナビニュース
ビースタイルメディアは、同社が運営する求人サイト『しゅふJOB』にて開催した「しゅふJOBプレゼンツ・しゅふ川柳」の応募作品の傾向を発表した。同調査は、主婦・主夫が日々の生活で感じる課題や疑問、喜びを川柳という形で発信する場として開催された本企画に寄せられた作品を分析する形で実施され、2024年2月6日〜3月3日8:00までの期間に集まった4,525句を対象として傾向を抽出したものである。
今年も最も目立った話題は「物価上昇」。2023年のしゅふ川柳初開催以来、物価高や値上がりは継続して注目度の高いテーマだが、今年はその中でも、特に「野菜」と「米」の値上がりに関する嘆きが多く、「野菜」に関連する作品が約100件、「米」に関連する作品が350件、さらに、4月から値上がりする「酒類」に関連する作品が25件あったという。
また、物価高に加え、「年収の壁」との関連を詠んだ作品も多数寄せられ、家計への負担の増大を表現した川柳が目立った。
実際に、しゅふJOBが実施した「年収の壁の影響」調査では、現在就業中の主婦・主夫層の34.3%が「働き控えをしている」と回答しており、その影響として「生活に必要な収入を得られていない」と答えた人が45.2%と最も多かった。この結果からも、年収の壁が主婦層の収入や生活に大きな影響を及ぼしている実態が浮き彫りとなっており、今年の「しゅふ川柳」に寄せられた作品にも、その切実な思いが表れているといえるだろう。
さらに、今年の「しゅふ川柳」では、「主夫」に関する作品が約150件寄せられ、例年に比べて明らかに増加傾向が見られた。これらは50代以降の男性からの応募が大半を占めており、定年後に新米主夫としてしゅふ業に挑戦する姿が詠まれていた。
応募作品やコメントからは、実際に家事を担うことで、「意外と自分に向いているかも」と新たな気づきを得る人も見られる一方で、大多数の応募者がしゅふ業をやってみて初めて実感した、戸惑いや苦労を川柳に込めていた。男性視点でしゅふを詠んだ句はノミネート作品にも多数見られ、男性もしゅふ業に主体的になっている様子がうかがえた。
しゅふJOB総研の「夫の家事育児の満足度」調査では、過去3年連続で「不満あり」と回答する妻が増加していたが、最新のデータでは「不満なし」と回答する妻が過半数を超え、逆転した。これは、夫の家事・育児への貢献を認める動きが広がっている裏付けとも考えられ、そんな社会の移り変わりが今年の川柳における「主夫」の増加にも反映されているのではないかと同社はコメントしている。
そして、「母の日」に比べて「父の日」は影が薄いという声が多く寄せられた。川柳の中には、父の日の扱いが軽くなることへの不満がユーモラスに描かれている。特に、子どもたちや家族から「父の日」の存在を忘れられたり、母の日と比べてプレゼントやイベントが控えめだったりする状況が、多くの作品で詠まれていた。
また、「父の日をもっと祝ってほしい」とアピールする父親の様子が描かれた作品も目立った。家族に対して控えめにアピールするものから、冗談交じりに訴えるものまで、ユーモアたっぷりに表現された川柳が数多く寄せられたという。