腸内環境を整える“酪酸菌”入り味噌のパワー! 松本の老舗味噌蔵『萬年屋』が伝える味噌玉造りのスゴさ

2025年4月21日(月)10時50分 食楽web


食楽web

●一般的な味噌づくりに欠かせない米麹を使わずに、大豆を発酵させる「味噌玉造り」。その伝統的な製法を継承する『萬年屋』の味噌が持つ、通常の味噌にはない魅力とは?

 日本の伝統的な発酵食品「味噌」。調味料としてさまざまな料理の味の決め手になるだけでなく、味噌に含まれる麹菌や乳酸菌、酵母菌などの菌が腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを整えることでも注目されています。

 ヘルスケアサービスを展開する「サイキンソー」は、長野県松本市の味噌蔵『萬年屋』と、味噌についての検証を実施。それにより明らかになった、伝統製法「味噌玉造り」によって生まれる味噌のパワーをご紹介します。

1500年前から伝わる「味噌玉造り」が作り出す酪酸菌入りの味噌


長野県松本市にある、創業193年の『萬年屋』

 1832年創業の老舗味噌蔵『萬年屋』の味噌は、最古来の味噌製法といわれ、1500年前から伝わる「味噌玉造り」で製造されています。「味噌玉造り」とは、味噌蔵に住みつく常在菌を大豆の中に取り込んで仕込む製法。それにより、独自の風味のある味噌に仕上がります。

 現在の『萬年屋』では、3週間ほど大豆を熟成させたのち、味噌玉を水に漬けて周りのカビをふやかし、そのカビを一つずつタワシで落としてから塩と糀を混ぜて味噌を製造。一般的な味噌づくりに用いられる「米糀」を使用しないこの工程により、通常の味噌には存在しない「酪酸菌」が入った味噌が出来あがるのです。


松本の風土と味噌蔵の菌が取り込まれて作られる、萬年屋の「味噌玉造り」

「酪酸菌」は、腸の働きを活発にしたり、がん細胞の増殖を抑えたりするなど、体にうれし効果をもたらすことから「スーパー善玉菌」と呼ばれています。健康長寿の人やアスリートなどの腸内に多く見られることが分かっている、注目の菌です。

萬年屋の味噌を食べている人はエクオール産生菌や酪酸産生菌が多い


手間や時間がかかる伝統製法は国内でも減少し、継承する味噌蔵は現在5軒ほど

 江戸時代までは国内で主流の製造方法だった味噌玉造りですが、手間や時間がかかるため、時代の流れとともに減少。全国で5軒ほどに留まっているのが現状です。そこで、この伝統文化を後世に伝えるため、酪酸菌入り味噌の腸内環境への効果を検証スタート。

 萬年屋の味噌を日常的に食べている同社の従業員やその家族、10名の協力のもと、腸内フローラ検査を実施し、「萬年屋の味噌が腸内環境に与える影響」を調査。サイキンソーが保有する腸内細菌叢データの中から、健常者*として分類された2664名の菌組成データと比較し、腸内環境の状態を確認しました。

*腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」の利用者のうち、質問票の回答より「病歴なし」「慢性的な下痢・便秘の症状なし」「BMI30未満」「年齢20歳〜59歳まで」の条件の人を抽出し、健常者と定義


エクオールを産生する腸内細菌「エクオール産生菌」の保有率の比較

 味噌の原料である大豆には、大豆イソフラボンが多く含まれ、腸内細菌の働きで「エクオール」という、女性ホルモンに似た働きをする成分に変わります。調査の結果、萬年屋の味噌を日常的に食べている人は、健常者と比べて「エクオール産生菌」の保有の割合が高いことが判明。一般的にエクオール産生菌の保有割合は2人に1人と言われているため、今回の検証では10人中9人が保有するという非常に高い割合でした。


萬年屋の味噌玉から作られる味噌は「酪酸菌」も摂れる! [食楽web]

 また、萬年屋の味噌を日常的に食べている人は、健常者と同程度に「酪酸産生菌」の保有の割合が多いことも確認。味噌に含まれる大豆由来の豊富な栄養素や食物繊維に加え、「酪酸菌」も兼ね備えた萬年屋の味噌の素晴らしさが、改めて感じられる結果となりました。

 サイキンソーでは、「日常的に味噌を食べていない人」が萬年屋の味噌を摂取した際の、腸内環境の変化の調査を予定。失われつつある伝統製法が生み出す細菌のパワー、地元で大切にされている伝統食品の魅力に今後も注目です。

●DATA
株式会社サイキンソー
https://cykinso.co.jp/

食楽web

「味噌」をもっと詳しく

「味噌」のニュース

「味噌」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ