日本の出生数低下は誰のせいなのか 「労働時間が長すぎる」「消費税上がっても給料上がらない」といった声
2019年12月19日(木)19時4分 キャリコネニュース
キャリコネニュースが12月16日に掲載した「林修、出生率低下の背景について『低所得者が結婚して生活ができないという危機的な状況』と語る」という記事が注目を集めている。ガールズちゃんねるに17日、記事に関するトピックが立ち、2日間で3000件以上のコメントが寄せられた。
「産まない事を『女のわがまま』みたいに言う風潮あるけど、こういう論調のほうが納得いく」
出生数減少の議論をすると、声高に「女性が社会進出したことで男性を選り好みするようになった」という人がいる。だが、今回の林修氏の冷静な分析を見て救われた人が多かったようだ。(文:石川祐介)
「普通の国なら若者が暴動起こす」
出生数減少の原因について、さまざまな指摘が寄せられた。
「大企業務めでも転勤とかあったりするから子育て難しいんだよね」
「私が産みたくないのは労働時間が長すぎて、子育てしてると自分の時間が1分もなくなるのがわかってるから」
経済的に余裕のある家庭であっても、日本人の働き方で子どもを生み、育てることが難しいと考える人が多かった。男性の家事育児参画率は出生数に影響するため、男性の育休取得のハードルを下げる、有無を言わせない転勤をなくす、といった労働環境の見直しが必要だろう。
「『結婚して子供作るぞ!』という活力ある若者が減っている」
「日本は行動を起こさなさすぎ。普通の国なら若者が暴動起こす」
また、現代の若者の活力不足を挙げる声もあった。年配者にしてみたら現代の若者は頼りなく感じるのかもしれないが、収入は上がりにくく、雇用が不安定な状況にさらされている若者に熱意を持って行動することを求めるのは酷というもの。活力を持ちにくくなった社会的背景も加味してもらいたい。ほかには
「どんどん消費税が上がってるのにお給料は相変わらずだから結婚しても共働きじゃないと難しいし子供を作ったら更にお金がかかるんだよ」
などと増税に対する不満も多数あった。
子育てに「不寛容」な日本社会
このほか、トピ内には
「みんな余裕がなさすぎて街中で赤ちゃんや子供に対する視線が厳しい」
という人も。最近でも、電車内にベビーカーを畳まずに持ち込む是非が話題になったり、抱っこ紐を固定している背中のバックルを外されそうになった、なんてニュースも聞こえてくる。こうした日本社会で子どもを持つことに前向きになるのは無理がある。また、
「自治体にたかる気マンマンで沢山生む人がいる」
「貧乏でも後先考えずポコポコ産んでる家庭多くない?子ども手当目当てなのか分からないけど」
子持ちの貧困家庭が補助金を受けることに否定的な意見も多く見られた。「子育ては自己責任」という偏った考え方の根深さがうかがえる。このような状況では、どれだけ子育て支援策を充実させても「利用しづらさ」を感じてしまうだろう。
林氏は、番組で「経済的に困窮する人が増えたことで結婚率が下がり出生数が減った」と解説していた。だが、逆に「経済状況が改善すれば、出生率が回復するのか」というと、そう一筋縄ではいかなそうだ。