世界の一流は「おつかれさまです」に「おつかれさまです」とは返さない…必ず加える"一言"の絶大な効果

2024年2月8日(木)8時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/witsarut sakorn

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毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、1月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
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■要約サービス「1月のビジネス書」ベスト20


第1位:『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(ひきたよしあき著、アスコム)
第2位:『はじめる習慣』(小林弘幸著、日本経済新聞出版)
第3位:『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著、クロスメディア・パブリッシング)
第4位:『仕事は初速が9割』(越川慎司著、クロスメディア・パブリッシング)
第5位:『1年・1カ月・1週間・1日の時間術』(吉武麻子著、かんき出版)
第6位:『人生の優先順位を明確にする 1分マインドフルネス』(望月俊孝著、KADOKAWA)
第7位:『一生使える「文章の基本」』(木山泰嗣著、大和出版)
第8位:『しないことリスト』(pha著、大和書房)
第9位:『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(安達裕哉著、日本実業出版社)
第10位:『小さなルーティン』(福所しのぶ著、あさ出版)
第11位:『収入10倍アップ超速仕事術』(馬渕磨理子著、PHP研究所)
第12位:『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(中野信子著、サンマーク出版)
第13位:『ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち』(堀江貴文著、サンマーク出版)
第14位:『精神科医Tomyの人に振り回されない魔法の言葉』(精神科医Tomy著、エムディエヌコーポレーション)
第15位:『新 管理職1年目の教科書』(櫻田毅著、東洋経済新報社)
第16位:『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(内藤誼人著、明日香出版社)
第17位:『替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方』(国分峰樹著、フォレスト出版)
第18位:『世界の今がわかる「地理」の本』(井田仁康編著、三笠書房)
第19位:『頭のいい人は「答え方」で得をする』(樋口裕一著、大和書房)
第20位:『「嫌いな人」のトリセツ』(林恭弘著、総合法令出版)

※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年1月の閲覧数ランキング


■「身につければ必ず役に立つ」雑談の本


今月の第1位は『雑談が上手い人が話す前にやっていること』でした。博報堂のクリエイティブディレクターでありながら企業のスピーチライターとしても活動してきたコミュニケーションのプロ、ひきたよしあき氏が、雑談のコツを教えてくれる一冊です。



ひきたよしあき『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)

今日から取り入れたいのは、相手との共通の話題が見つからず、場がシーンとしてしまったときに使える「観察」+「感情」テクニック。


まずは相手と一緒にいる空間を「観察」して、共有できるネタを探します。その後、観察したものについて「自分の感想」を述べましょう。


たとえば、飲み会で同じテーブルの人との話題に困ったら、「隣の席で注文した焼きそば、おいしそうですよ」と「観察」の結果を述べ、「あ〜、急にお腹減ってきたなぁ」と「感情」をつぶやくだけ。続けて「中華、よく来るんですか?」「注文、もう決めましたか?」などと質問すれば、自然と会話が続いていくはずです。


著者のひきた氏は「大学や企業などで話し方を教えていると、自分の話し方に自信がない人が、なんて多いのだろうと驚きます。ですが、かくいう私も、ちょっとした雑談が苦手でした。苦手だからこそ、いろいろ工夫して、克服して、今は人に教えられるまでになりました。そんな私のこれまでの経験を生かし、ハードルは低いけれど、身につければ必ず役に立つ本を目指しました」と語っています。雑談の苦手な人にとって、これ以上心強い本はないでしょう。


■自律神経を整えて気持ちよく暮らすための99の習慣


第2位は、順天堂大学医学部教授であり、自律神経研究の第一人者である小林弘幸氏による『はじめる習慣』でした。



小林弘幸『はじめる習慣』(日本経済新聞出版)

「今日が一番若い。今日が新しい人生のはじまり。」という帯コピーが目を引く本書では、ベストセラー『整える習慣』『リセットの習慣』に続き、自律神経を整えて気持ちよく暮らすための99の習慣が提案されます。


その中でも、簡単でありながらあなたの生活をすぐに変えてくれそうなのは「用事は3日以内にやる」習慣。メールマガジンの配信停止手続き、処分したい粗大ごみ、歯科検診……あなたにもきっと、このような「気になりつつも対応を先延ばししている用事」があるのではないでしょうか。こうした用事が頭の中に居座り続けていると、それだけで集中力や自己肯定感が下がってしまうものです。


そこで著者は「用事をすべてノートに書き出したうえで、3日以内に完結させること」をすすめています。用事に期限がつけば、重い腰をあげて行動できるでしょう。


2024年が始まって早1カ月が過ぎました。今年1年を気持ちよく過ごしたい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。


■「雑談なんて時間の無駄」ではない


第3位には『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』がランクインしました。人材開発・組織改革のプロであり、『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』や『ニューエリート』、『心理的安全性 最強の教科書』などといったベストセラーを連発するピョートル・フェリクス・グジバチ氏による一冊です。



ピョートル・フェリクス・グジバチ『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

今回のテーマは「雑談」。豊富なグローバル経験をもとに、世界の一流ビジネスパーソンが雑談をどう捉え、どのような雑談を繰り広げているのかに迫ります。


特に注目したいのは、一流ビジネスパーソンの「自己開示」テクニック。


海外の雑談では、自己開示によって話を広げ、自分の「思い」や「考え方」を素直に伝えるのが一般的だといいます。まずは、「おつかれさまです」「お元気ですか?」といった定番フレーズに定番フレーズで返すのではなく、もう一言、自分の気持ちや質問を付け加えることから始めてみませんか?


また本書では、ビジネスにおける雑談には4つの「目的」があるとしています。


(1)「つながる」……相手との距離を縮めて信用を作る
(2)「調べる」……最新の動向や現状に関する情報を収集する
(3)「伝える」……自社の意向や進捗(しんちょく)状況などを報告する
(4)「共有する」……最新の情報を相互に認識する


あなたはこれらの目的を意識できていますか。「雑談なんて時間の無駄」「仕事のコミュニケーションさえ取れれば問題ない」と思い込んでいる人に、すぐにでも手に取ってほしい一冊です。


■ビジョンを分解し1週間・1日単位の目標に落とし込む


続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第5位は、『1年・1カ月・1週間・1日の時間術』でした。



吉武麻子『1年・1カ月・1週間・1日の時間術』(かんき出版)

本書は、目標や夢を達成できる時間術・計画術を教えてくれる一冊。新たな年を迎え、「今年1年を充実させよう!」と意気込んでいるビジネスパーソンの人気を集めました。


読みどころは、「ビジョン→1年目標→3カ月目標→1カ月目標→1週間・1日目標」と、ビジョンを分解し、1週間・1日単位の行動目標に落とし込んでいくノウハウを指南するパート。「家族がみんな健康で元気」といった大きく漠然としたビジョンも、分解すれば「今やるべきこと」がクリアになり、行動に移しやすくなります。


また本書では、目標達成のための計画を、アナログで書き出すよう勧められています。以下のようにノート・手帳・デジタルを使い分けることで、目標実現へと着実に歩んでいけるでしょう。


①ノートでアイディア出し
②手帳で中長期計画
③デジタルでタスク管理


今年こそ実現したい目標がある人はもちろん、時間の使い方に苦手意識がある人や、買ったばかりの手帳を有効活用できていない人にも一読をおすすめします。


■ビジネスの場面でよく見る「ですがですが構文」


第7位の『一生使える「文章の基本」』にもご注目ください。



木山泰嗣『一生使える「文章の基本」』(大和出版)

本書の副題は「相手への心づかいが行き届く」。あなたは普段、相手への心づかいが行き届いた文章を書けているでしょうか? 自信を持ってイエスと即答できないなら、本書を読んでみることをおすすめします。


弁護士として文章の書き方の授業や講演を行ってきた著者・木山泰嗣氏は、文章の基本は「読み手の立場」に配慮し尽くすことであり、「読んだ先に、相手がどんな行動をするか」まで想像することで書くべき内容が決まってくると断言しています。


まず心がけたいのは、「ですがですが構文」を避けること。


わかりやすい文章の基本は「一文を短くすること」です。特に多く見られるのは、「A事業の決算ですが、資料1のとおり報告があがっているのですが……」などと「~ですが」を繰り返した長文です。こうした「ですがですが構文」は主語と述語の対応に誤りが生じやすく、読み手に違和感を与えるため、今日から使わないようにしましょう。


「文章の基本」をマスターして、誰からも信頼される、心づかいの行き届いたビジネスパーソンになりませんか?


■「だるさ」には大事なサインが隠れているかもしれない


最後にご紹介したいのが、第8位の『しないことリスト』。シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人で、ブログ「phaの日記」などでも知られるpha氏が、人生をラクに生きるための習慣をまとめた一冊です。



pha『しないことリスト』(大和書房)

余計な買い物をしない、高い家賃を払わない、自分だけで独占しない……数々の「しないこと」が紹介される中、頑張りすぎて疲れてしまいがちな人にさっそく取り入れてほしいのは「だるさを無視しない」。


一般的に「大人は『だるい』なんて言ってはいけない」という風潮があるもの。それに対してpha氏は「この風潮には賛成できない」「だるさは大事な感覚だ」といいます。


なぜなら、だるさの裏にはたいてい「体調が悪い」「精神状態が悪い」「今やっていることがあまり好きじゃない」といった感覚があるから。そして、そのようなだるさは深刻な病気につながりかねないため、早い段階でケアしたほうがいいと書いています。


「いつものことだから」「自分の我慢が足りないだけ」と受け流している「だるさ」は、あなたにとってよくないことが起こっているサインかもしれません。一度立ち止まって、自分の心と向き合ってみてはいかがでしょうか。


今月も、雑談術からマインドフルネス、地理まで、幅広いジャンルの本がランクイン。また、先月第1位だった『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』が第9位、第3位だった『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』が第12位、第13位だった『頭のいい人は「答え方」で得をする』が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。


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flier編集部
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