「全世界株型」に米国が入ってない!? 新NISAで買えるオルカンなど全世界株型投信、4種類・20本を総チェック!
2025年5月23日(金)6時0分 ダイヤモンドオンライン
「全世界株型」に米国が入ってない!? 新NISAで買えるオルカンなど全世界株型投信、4種類・20本を総チェック!
新NISAやiDeCoで初めて投資信託を買った人が増えている。投資信託は資産づくりの強い味方ではあるものの、仕組みやルールをわかっていないと損をしてしまうことも。せっかくの非課税制度なのだから、それ以外で損してしまったらもったいない。新NISAブームに乗って、とりあえず始めてみた人も、そろそろ投資信託の正しい知識を身につけて、万全の態勢で臨もう。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った投資信託のワナ50&真実50改訂第2版』から気になるテーマを紹介する。
イラスト/橋本聡
「オルカンなどの全世界株型はどの投信を買っても変わりはない」はウソ
新NISAでブレイクした「オルカン*」はオール・カントリーの略。全世界の株に投資する投資信託のことを指す。*「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の通称。
1本で全世界に投資できる手軽さや運用コストの安さなどもあり、投資初心者が新NISAで買う最初の1本として、メディアや金融のプロたちがよく推奨している。
そのため、「まずはオルカンを買っておけば間違いない」と思う人も多い。しかし、各運用会社で全世界株型の投資信託を出しており、2025年2月時点で、つみたて投資枠でも成長投資枠でも買える全世界株型は20本もある。
似たような名前で、どれを買えばいいか迷ってしまうかもしれないが、同じ指数に連動していれば投資先はほぼ同じになるので、信託報酬の安いものを選ぶのがポイントだ。
ただし、金融機関によって取扱っている投資信託が異なるので、口座を開いたところで買える全世界株型から選ぶことになる。
オルカンに連動する指数は主に2種類!MSCIとFTSEがある
もう1つ、コスト以外にも選ぶ際のポイントがある。
実は、NISAで買える全世界株型が連動する指数には、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」の2種類があるのだ。
この2つの指数は組入れ対象が異なる。MSCIは大型・中型株を、FTSEは大型・中型・小型株を対象としている。小型株を含む分、FTSEは1万銘柄超と組入銘柄が多いのが特徴だ。ただし、MSCIもFTSEも過去の成績にそれほど大きな差はない。
※2025年2月末時点。*「PayPay 投資信託インデックス 世界株式」は、事業終了に伴いアセットマネジメントOneに運用会社を変更。また、投信名、連動指数、信託報酬も変更予定。*「eMAXIS世界株式インデックス」は2025年4月に「eMAXIS世界株式インデックス(除く日本)」に投信名を変更
対象地域に注意!日本や米国を除く全世界株型投信もある
むしろ注意したいのは対象地域だ。MSCIには日本株に投資しないタイプがあり、FTSEには米国株に投資しないタイプがある。特に後者は通常6割を占める米国株が除かれるので、運用成績に大きく影響する。
こういったタイプは、たとえば日本株は個別株で投資しているから、すでに米国株型投資信託を買っているからなど、投資先の重複を避ける目的で戦略的に使うのはOK。ただ、シンプルに全世界株に分散投資したい人は、対象地域が全部の投資信託を選ぶようにしよう。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 投資信託のワナ50&真実50改訂第2版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。