「どうすれば藤井聡太に勝てるのか」…藤井名人、関西空港対局での完勝にファン&解説棋士あ然「この切り替えは普通の棋士にはできない」

2025年5月11日(日)8時0分 ABEMA TIMES

 将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負第3局が5月9・10の両日に行われ、藤井名人が勝利。開幕3連勝で防衛3連覇に“王手”をかけた。本局では、“藤井曲線”を描いての完勝が大きな話題に。終盤戦で見せた一瞬の間合いに、解説棋士も「この切り替えは普通の棋士にはできない」と感嘆の声を漏らしていた。

【映像】藤井名人の着手に対する解説棋士リアクション

 関西国際空港開港30周年を記念して開催された第3局。両者ともに初めて訪れた場所とあり、藤井名人も「対局を楽しみにしていた」という。永瀬九段の先手で始まった注目の一局は、藤井名人が2手目に公式戦で2局目の採用となる角道を開ける一手を選択。角交換を拒否すると、永瀬九段は「相矢倉にするのは自然だと思った」。藤井名人は中住まいのバランス型に構え持久戦に備え、千日手の可能性を残して封じ手となった。

 前日の藤井名人が封じていたのはさらに千日手を濃厚とさせる銀引きの一手。「封じ手の局面はあまり自信がなく、千日手の打開はあまり考えていなかった」と振り返ったが、永瀬九段が回避を選択。終局後には「千日手にすべきだったが、後手番の策があまりなかった」と悔しそうに振り返っていた。

 ねじり合いの展開となると、藤井名人は陣形の堅さを活かしつつ丁寧な指し回しで主導権を握ることに成功。終盤戦は、果敢に踏み込んでと金を作った藤井名人の独壇場に。一瞬の間合いで6筋から先手の急所を突くと、永瀬九段の粘りの手順を断ち切ることに成功。最後は先手陣を完全包囲すると相手に一度もリードを許さず、“藤井曲線”を描いて後手番で快勝を飾った。

 藤井名人は「相矢倉自体公式戦で指すのはかなり久しぶりだったので、全体を通して距離感をつかむのが難しかった」と総括したものの、終わってみればABEMAの「SHOGI AI」グラフが美しい弧を描く“藤井曲線”が出現。視聴者からも「恐ろしいほどの藤井曲線」「どうすれば藤井聡太に勝てるのか」「美しい藤井曲線」「今の藤井は敵無しだな」とのコメントが押し寄せることとなった。

 本局の解説を務めた藤井猛九段(54)と斎藤明日斗六段(26)は、終盤で藤井名人が見せた一瞬の間合いに着目。相手からの攻め込みを警戒する局面でも、それを恐れずに先手陣包囲を狙う鮮やかな一手に、斎藤六段からは「この切り替えは普通の棋士にはできない」と感嘆の声が漏れた。さらに、藤井九段は「指されてみたら激痛。いきなり本陣に火がついて、受けがないというくらいスピードの速い一手だった」とし、その価値の高さを力説していた。

 さらに藤井九段は、「藤井名人が後手の良さを活かした。先手の指した手にうまく対応し、“後出し”で良い形を作ることが狙いだったのでは。永瀬九段はうまく構想が立てられないままに後手十分の格好になってしまった。そこが恐ろしいほどに研究されていたと思う。序盤で少し不本意な流れになったのが、そのまま勝敗に出てしまった印象」と一局を総括していた。

 シリーズは、開幕から3連勝を飾った藤井名人が防衛3連覇に“王手”。大熱戦が繰り広げられている今期の七番勝負は次戦が決着局となるのか、最強挑戦者の永瀬九段が一矢報いるのか。注目の第4局は5月17・18日、大分県宇佐市の「宇佐神宮」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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