コメ流通専門家 今後のコメ政策で私見「生産者には作れるだけ作っていただいたうえで需要側を調整を」

2025年5月26日(月)14時31分 スポーツニッポン

 コメの流通に詳しい流通経済研究所首席研究員の折笠俊輔氏が26日、TBS「ひるおび」(月〜金曜前10・25)にリモート出演。小泉進次郎農相が同日、政府備蓄米放出の新方式を発表したことに言及した。

 競争入札を取りやめ、随意契約で国がスーパーなどの大手小売業者を任意に選んで直接売り渡す。6月初旬にも店頭に5キロ当たり税抜き2000円程度、税込み2160円程度で並ぶのを目指す。放出量は30万トンで、需要に応じて追加を検討する。これまでは全国農業協同組合連合会(JA全農)などに売り渡していたが、流通の拡大が遅れており、対象を消費者に近い事業者に切り替える。

 農林水産省は価格が高止まりするコメ問題に特化した「集中対応チーム」も設置し、発足式を開いた。小泉農相は新たな備蓄米放出について「一層のスピード感と危機感で国民の皆さんの不安を払拭する」と述べた。

 放出する備蓄米は2022年産20万トン、21年産10万トン。随意契約では、平均価格で60キロ当たり税抜き1万700円、税込み1万1556円で業者に売り出す。競争入札時の落札価格の半額程度となる。契約先は年間1万トン以上を取り扱う見込みの大手小売業者に限り、26日から毎日先着順で受け付けて契約・販売。8月までに消費者に販売する分が対象となる。

 地方に輸送する際の費用を国が負担し、経費などを含めても店頭価格を抑えられるようにする。割安な備蓄米を全国に幅広く流通させるためインターネット販売事業者も受け付ける。

 流通経路拡大を妨げる一因となっていた条件も見直す。これまでの放出では、備蓄米を落札した集荷業者に同量のコメを国に戻すことを求めていたが、小売業者には条件を付けない。

 備蓄米放出を巡って農水省は3回の競争入札を実施し、JA全農などに計31万2000トンの引き渡しを進めている。21日に農相に就任した小泉氏は、高値を提示した業者が落札する入札の仕組みが備蓄米の価格を引き上げているとして、随意契約に変更する方針を示していた。

 折笠氏は、今後のコメ政策について「需給調整を供給量を絞って行ってきたというのが根底にある問題で、なので生産者には作れるだけ作っていただいたうえで需要側を調整をする。国内の食べる量もそうですし、例えば余るのであれば国がそこに補助を入れて輸出するなりして外に出していく。もし有事が起これば輸出をやめれば在庫として国内に回せる。そう考えると、作っていくという方向に舵を切らないと根本的な解決にはならないと思います」と自身の見解を述べた。

スポーツニッポン

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