デビュー戦で注目されたのは2位ではなく3位の方?広島・岡本駿が対外試合初登板で圧巻の3者連続三振
2025年2月21日(金)18時14分 ココカラネクスト

岡本はロッテ戦の好投で十分なインパクトを残した(C)産経新聞社
関係者やファンの目を引いたのは、2位ではなく3位の方だった。広島の即戦力ルーキーたちが、2月19日のロッテとの練習試合で対外試合初登板を飾った。ドラフト2位指名の佐藤柳之介が先発し、2イニングを1安打無失点。そして圧巻だったのは5回から3番手で上がった3位指名の岡本駿だった。
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先頭の寺地隆成を2球で追い込むと、外角に落差のあるツーシームを沈めて3球で空振り三振。続く友杉篤輝はワンバウンドになるツーシームを振らせて2者連続空振り三振に斬った。3人目の池田来翔は外角のカットボールで見逃し三振。3者連続三振で予定していた1イニングを完璧に封じ込めた。
最速148kmだった直球と、沈むツーシームを軸に、ロッテ打線を寄せ付けなかった。徳島県の城南高時代は一塁や三塁、遊撃を守る内野手で、本格的にピッチャーに転向したのは甲南大入学後から。投手としての経験は浅く、プロ相手に通用したツーシームもまだ習得して1年ほどという。伸びしろ十分な可能性が最大の魅力だ。
186cmという長身でスケールも大きい。昨年12月の入団会見では「僕の強みは角度のあるストレートとゲームメークができるところです。野手だったので、最初は投げ方も下手だったが、大学で練習できて良くなったと思う」と抱負を語っていた22歳。甲南大初のプロ野球選手で、城南高出身でも、徳島県勝浦町出身でも、いずれも初のプロ野球選手という。
入寮時の球団公式サイトのレポートでは「初めての寮生活でみんなでご飯を食べる場所があって、お風呂も共同で、どんな感じになるのか想像がつかないので、ワクワクしています」と初々しさをのぞかせていた。挙げた座右の銘は「笑顔」。「笑顔を常に大事にしています。昔から常に笑っているといわれていたので、笑顔を絶やさないようにしています」とモットーを口にしていた。
大卒左腕である2位・佐藤もしっかりと結果を残したが、残したインパクトでは岡本が上回った。卒業論文のテーマは「カープの経営史」についてまとめたという異色の右腕。黎明期には市民によるタル募金などにも支えられ、近年は「カープ女子」らの誕生など一躍人気を集めたことなども学んできた。大卒で1軍キャンプスタートし、即戦力の期待は高いながらも、秘めたるポテンシャルも人一倍。また楽しみな投手が、広島の強力投手陣に誕生した。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]